camuson さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
印象度:55
1990年の単発テレビアニメ。U-NEXTで見ました。
原作の「後宮小説」は未読。
原作自体が、ファンタジー小説に分類されているように、
中華風の仮想の国における歴史物語風の作品です。
田舎娘が三食昼寝付の生活を得るために、新皇帝の妃候補に応募し、
大勢の妃候補と一緒に、立派な妃になるために教育を受けるという話。
元気な田舎娘が、あまり似つかわしくない宮廷内で、
健気に学びつつ、ドタバタするというのがメインですが、
戦とも無縁であるわけにもいかず、巻き込まれていくという展開。
そこまで悪い奴が出てくるわけでもなく、
陰湿ないじめにあうようなこともなく、
基本的には終始明るい感じで、あまり深みが感じられないのが難ですかね。
1990年の作品にしては、古き良きアニメ感があるというか、
わかりやすいキャラ設定と、昔ながらの万人向けユーモアセンスを踏襲した、
子供向けアニメの良作という感じに仕上がっています。
創作であっても具体的な史実に結び付けられていれば、
歴史解釈の可能性という意味で楽しめますし、
史実と対比することで味わい深くなったりするものですが、
仮想の国の話となるとそれが期待できず、
だからと言って、ファンタジーとしての強みが
そこまで発揮されているとも思えず、
ちょっと中途半端に感じてしまいました。
佐野量子が声を充てている主人公は、とても溌溂としていて、
当たり役だと思いました。