たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「墓場鬼太郎」の方がおどろおどろしい。
ドラえもんや孫悟空の誕生秘話なら、おそらく日本国民の6割くらいは知っているだろうが、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」はおそらくそんなに知られてないくらい、結構マニアックな部類に入ると思う。
もう10数年前に貸本漫画時代の「墓場鬼太郎」が完璧に「大人向け」のアニメとしてアニメ化されたので、それに比べるとやはり見劣りしてしまう。
一応、主人公の水木が太平洋戦争兵隊上がりの一般人という設定は、原作者の水木しげる本人の体験談ではあるものの
いくら「アダルト向け」に作ったとしても、物語を補完するには蛇足感が強いし、グロテスクであろうがものすごいアクションシーンの作画や美しい背景美術を描こうが、物語の本質は語っていない。
あの美しい顔立ちの幽霊族では、「イモリの干物」や「カエルの目玉」は食べないだろうし。。。語尾に「ひっひっひ。。。」と不気味な笑みはしないだろう。
水木しげるは幽霊族を本当に「不気味な存在」だからこそ、人間から差別され迫害されたのであり。。。だからこそ「人間の醜悪さ」を見いだせるのである。
作画は綺麗で物語はうまくまとまっていてそこそこ面白いが、「映画」としてはイマイチな出来だと思う。