蒼い✨️ さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
銀河声優伝説と比べたら残念です。
【概要】
アニメーション制作:Production I.G
ファミリー劇場では2020年1月 - 4月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、田中芳樹による往年のベストセラー小説。
監督は多田俊介。
【雑感】
アムリッツァ星域での帝国と同盟の大会戦から始まり、
両国の内乱が勃発して終結までの2クール目。
旧アニメが海外の名優をモデルに痩せぎすだったのと比較すると、
全体的に10歳ほど若く健康的で肉付きの良い現代的なキャラデザイン。
予算配分が豪華声優陣に偏っていたからか作画自体は丁寧と言い難かったのと比較すると、
今作のほうがアニメーション面では丁寧なんだろうと思いつつも登場人物に魅力を感じないです。
それにはやはり声優の差が大きいですね。
富山敬のヤン、堀川りょうのラインハルト、広中雅志のキルヒアイスなど、
主要人物が魅力的に描かれていたのみならず、
永井一郎や飯塚昭三といった大物をすぐに退場するキャラに起用するなど贅沢な配役であり、
目を閉じても声優と配役をある程度の判別可能な旧作と比較すると、
ノイエ版は声に存在感が無いです。
諏訪部順一のオーベルシュタインや、神谷浩史のフォーク、
旧作でも好演した、ベテランの古谷徹・二又一成の起用など、
部分的には良いものがあったものの、同盟を中心に知らない声優が多すぎます。
ビュコック爺さんの石原凡なんて富田耕生と違ってモブみたいな声をしてます。
吹き替え畑から多く起用してるのでしょうけど、アニメ映えしない淡白な演技が多いかな。
帝国は帝国で女性ファン獲得を意識したのか、
中村悠一や小野大輔などのイケボ声優をラインハルト陣営に集めてるのですが、
イマイチ個性を感じられないです。
旧作での堀川ラインハルトが天才設定で覇王でありながら少年のような繊細さを併せ持ち、
狂犬のような気質を普段は理性でコーティングしているものの、
一度激すれば敵対するものを根絶やししてもおかしくない苛烈さが表現されていたのと比べると、
主役であるはずのノイエのラインハルトは逆上や悲しみなどで情緒不安定になったときの芝居が、
宮野真守の裏返った鼻声では炭酸の抜けたコーラ状態の演技でダメダメですね。
宮野氏自身のキャラクターと声自体が彼の持ち味であり、
イケボ声優としてのスター性はあるのでしょうが、
ラインハルトの情緒を演じる点ではあまりにも迫力不足かと。
キルヒアイスがガイエスブルク要塞で斃れたときも全く悲しくならなかったですし、
万人から愛される赤毛ののっぽさんを説得力があるよう穏やかな声で演じた広中雅志と、
目つきの悪いキャラデザが似合ってない赤毛さんを演じた梅原裕一郎の声の違いが、
そのままキャラへの思い入れの違いなのでしょうかな。
と、旧アニメをよく知ってる者としてはまっさらな心で受け入れることが出来ずに、
イマイチなアニメだと思ってしまいました。
敵である門閥貴族の息女のエリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイクと、
サビーネ・フォン・リッテンハイムが戦後も生きてて欲しいレベルで可愛いとか、
令和の価値観でアップデートされたメカニックや装甲服であるとか、
作画自体は昔との物価の違いを考慮しても予算をかけているなど、
ノイエならではの見どころが色々合ったはずなのですが、
作画自体はそんなに優れたものではなかったのですが、
声優アニメとしてはレジェンドな旧アニメに圧倒的にお芝居では負けてると言いますか、
繰り返しますが声優の差からかキャラクターの人格表現の可笑しみに欠けるために、
ノイエではキャラクターが固すぎて陰険漫才の田中芳樹節が十分に発揮できなかった。
と私個人の感覚では銀英伝のアニメ化としては満足には遠いのが、正直なところでした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。