ヘンゼル さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
衛宮切嗣みたいな主人公
2023年秋アニメとして第2期が放送されていますが、本作品は2018年秋アニメ。つまり約5年と、かなりの期間が開いていてすっかり内容を忘れていました。
そのため久しぶりに本作を視聴しました。
本作はよくある中世をモチーフとした剣と魔法を使って戦う、古典的なファンタジーが、世界観の土台として使用されています。
ですがテーマとしてはまさしく「ゴブリンを狩る事」、これに尽きます。
本作の主人公であるゴブリンスレイヤーは、過去に村ごとゴブリンの群れに襲われ、唯一の身内(と思われる)姉を殺されてしまいます。
主人公は床下に息をひそめて何とかやり過ごせましたが、姉がゴブリンに凌辱されて殺されていくのを間近で見ていたのにも関わらず、何もできなかった事に後悔と深い心の傷を負う事になります。
それから主人公はゴブリンを狩る方法を学び、ゴブリンを駆逐していく事になる、というのがゴブリンスレイヤーの大まかな生い立ちです。
これらをふまえて本作の主人公に非常に似ているなと思ったキャラクターとして、Fateの衛宮切嗣が挙げられると思いました。
共通項として挙げられるのは、彼らは復讐や信念に準じる事を人生の軸としてしまっている点ですかね。
しかしそういったモノがいつか義務感に変わっていき、気づいた時には呪いのように自分にまとわりついて、破滅の道を辿っていく。
本当になりたいものや夢を置き去りにしている点なんかも、非常に似てるなと思いました。
ゴブリンスレイヤーはどちらかというと、切嗣みたいな主人公が救われていく話だと思います。
話が進むにつれ仲間になっていく人たちの考えや夢、目標といったものが少なからず、復讐や姉への罪滅ぼしが生きる目的だった主人公に影響を与えていく。
そういった所が本作の見どころなんじゃないかなと思いますね。
本作の上手い点は、実際にそういう世界が現実だったら、復讐の為に冒険者になる人って少なからずいると思うんですよ。
着眼点が凄いなって思いますね、やっぱり。
というわけで、そういう悲劇の主人公が救われていく話が好きな方はハマるんじゃないでしょうか。