ヘンゼル さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日常ドラマ的な面白さを含んだ作品
名作のライトノベルアニメを探していた所、「そういえば昔観てたな~」と脳の引き出しから本作が少し顔を覗かせていたので、久しぶりに観てレビューしようかなと思った次第です。
本作は「僕は友達が少ない」の原作者である平坂読の作品。
本作は上記の作品と同じく、キャラクターが現代日本が舞台の日常の中で遊んだり恋をしたりといった群像劇がテーマとして描かれています。
「僕は友達が少ない」は主に男女の高校生を主役として描いていたため「青春群像劇」でありましたが、本作は主人公を20歳、他のキャラクターも18歳や20歳、22歳と成人を迎えているキャラが主な登場人物であるため、大学生の群像劇というべきかもしれませんね。
作画は可もなく不可もなくといった印象でしたね。
ただ制作陣の遊び心が随所に本作品に表れていました。
例を挙げますと、本作品のストーリーの中で全裸がいいか、下着がいいかといった下らない論争が繰り広げられるのですが、その時のエピソードのOPだけ主人公が全裸に差し代わっていました。
ここ数年増加したアニメ作品の中には、制作陣の工夫や努力が感じられず納期だけ間に合わせたような駄作がしばしば存在しますが、本作はそういう感じでは無かったので少なくとも手を抜いた作品ではないのでしょう。
そのため安心して観ることが出来ました。
ストーリーですが、非常に下ネタが多かったですね。
そのためはっきりと好き嫌いが分かれる作品だなと感じました。
また本作品はかなりの確率で主人公のアパートの部屋が出てきます。
そのため、場面が動かないと辟易する方もいるかもしれませんね。
しかしだからこそ、本作品においてはそれが長所となっていると思います。
本作品のストーリーは基本、主人公をメインに進められますが、ヒロインや友人といったキャラにも焦点が当てられ、サブストーリーではありますがそちらも同時並行で進んでいきます。
その結果、何度も舞台となる主人公の部屋が話を経るに連れて、キャラの思惑やサブストーリーのエピソードが加わることによって見方が変わっていきます。
本作がキャラの思惑や願望を見せることで、本作のコンセプトであるキャラの日常に変化を与えている事は事実ですが、それは私たちが視聴者だからであって、現実はそういう目に見えない感情や思いを、察する事は出来てもはっきりとした輪郭までは捉える事はできません。
思考が見えないからこそ、すれ違いや気づけないといったドラマが生まれる
本作はまさに日常ドラマ的な面白さが味わえる作品だなと思いました。
キャラ描写にしましては、主人公や他のキャラに3人ほど変態に部類されるような癖の強い性格や趣向を持った人が出てきますが、総じて悪印象を抱くような行動や思想を持った人はおらず、全話楽しく視聴できました。
ただ強いて言えば、イラストレーターの刹那というキャラはあまり好きじゃないかなと思いました。
音楽は基本的に落ち着いた印象で、本作にとても合っていたと思います。
特に予告のギターの音が私好みでした。
本作品は、ライトノベル発の日常的なドラマを描いたアニメとしては割とあっさりと仕上がりになっていると感じました。
軽い作品が観たい方に是非お勧めです。下ネタには要注意ですけどね!