Witch さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
この手の「異世界モノ」では安定感があり、しっかりと作られている部類
【レビューNo.94】(初回登録:2023/11/12)
ラノベ原作(なろう発)で2021年作品。全12話。
この作品、ABEMAでやたら一気観配信されてるって感じで、リアタイを含め何
やかんやと(完全じゃなくても)4回位視聴してるんだよな。
爆発的な面白さはないけど、安定して観てられるって感じ?!
1期の最後に「2期決定」が発表されてましたが、次の冬アニメでしかも連続
2クールでの放送決定ということで、1期のレビューをしておこうかなっと。
(ストーリー)
平凡な高校生「深澄真」は、
・両親が元々異世界人で、日本へ渡ってきた。
・その時の女神との契約で、2人の大切なものを捧げるという契約があった。
そのため、突如異世界へヒューマン(異世界の人間)を救う勇者として召喚され
てしまう。
しかし異世界の女神の「顔が醜いから」という理不尽な理由から
・クーリングオフとして、別の勇者を召喚する
・「醜いからヒューマンとは交わるな」ということで「ヒューマン以外の言語
が理解できる能力」だけを付与される
そして、この異世界の果てに捨てられたのだった。
しかし真は
・現世の神から(女神に問題あることを知っていたので)予め加護(能力)が
与えられていた。
・また現世では肉体的にも魔力的にも負荷を受けて鍛錬するような生活してい
たらしく(月で重力から解放されるみたいに)異世界ではその負荷から解放
され超人的な能力が発揮できる。
というチート能力の持ち主だったのだ。
異世界の果ての荒野を3日3晩彷徨った真は、魔獣に襲われているオークの娘・
エマと出会うのだった。
(評 価)
・「異世界モノの様式美」を意識した作り
・タイトルの「異世界道中」とか作中にも時代劇ネタが入っているなど、調
べてみると作者はやはり時代劇好きのようです。
時代劇人気の理由のひとつはその様式美にあると言われています。
(高貴な身分を隠しての悪行の調査~正体を明かして悪事を白日の下に晒
す~決めゼリフ・殺陣を交えた「懲悪勧善」展開)
・本作も大きな流れは
{netabare}・上述の通り異世界の果てに飛ばされるも、チート能力で
・「上位竜」を従者に →姉御侍風美少女「巴」に変身
「災厄の黒蜘蛛」を従者に →一途な黒髪美少女「澪」に変身
2強のハーレム要員ゲットw
・ヒューマンと交流するため街に出向くも、亜人っぽい顔立ちにヒューマ
ン語が話せない、そしてとある理由からヒューマンに恐れられてしまう。
しかしそれとは裏腹に巴が管理する「亜空」と呼ばれる空間に
・真が最初に助けたエマらオークやドワーフ
・巴、澪の眷族のリザードマンやアルケー等
亜人種がどんどん集まってきて「蜃気楼都市」が建設されていく。
(この辺が「劣化転スラ」と揶揄される所以であるが)
・そして農産物やドワーフ製作の工芸品を売るために、商会を設立。
クズノハと名乗り自らの正体を隠し、ヒューマンと交流するようになる。
その過程で見えてきたヒューマンの街の闇の部分・蔓延る悪を成敗!
(真自身が積極的に正義を貫くというよりは、巴と澪が先走って大暴れ
的な要素が大きいがw)
といった感じで、時代劇の形式美ならぬ「異世界モノの様式美」をしっか
り継承し、あまり余計なことをせずこの手の作品としては割と丁寧に作ら
れているという印象ですね。
・主要キャラの方も2大美女
・巴(CV: 佐倉綾音)
・澪(CV: 鬼頭明里)
に加え、街を総括する大番頭的存在として
・エマ(CV: 早見沙織 ※何故かエマさんは美少女化されなかったw)
・主人公真(CV: 花江夏樹)
結構豪華な声優陣を配し、ギャグなどはスベッているところも多いですが、
巴と澪のハチャメチャぶりに花江さんらしくツッコむ展開やはやみんの手
綱を握るしっかり者の演技などは上手く機能してるなという印象です。
それにこの手の作品にしては、結構末端のサブキャラも丁寧に扱っている
なあというのも好感が持てますし。
まあ早い話がテンプレ展開ってやつですが、それでもしっかり作れば安定感
があり、それなりに面白い作品に仕上がるなという印象ですね。{/netabare}
・2期ありきの構成だった?!中途半端感があった1期
しかし安定感はあるが、テンプレ展開がメインゆえにそれ以上の突き抜けた
面白さがないのが・・・
{netabare}・異世界の女神にロクな能力を付与されなくても、環境の違い等で結局チー
トやん。(この辺がちとチグハグ)
・一応「異世界世直しファンタジー」という触れ込みらしいが、その要素が
かなり薄いやん。
それよりも街づくりや商会設立等いろいろと手を出して、何かと中途半端
に終わったな。
・真自身にも「(元々この世界の住人であった)両親の軌跡をたどる」とい
う目的があったが、そんなことはもっと後回し。
上述のように個々の要素はよかったのですが、全体像でみるとこの作品はど
こを目指しているのかわからないって感じなんですよね。
まあ最後に「2期決定」と種明かしされて、1期はそういう位置づけかと納得
はしたのですが・・・{/netabare}
個人的にはストーリーの中途半端感は否めませんが、キャラの掛け合いは総じ
て面白かったと思いますし、ラストの戦闘シーン
(女神に見つかり、最強の敵がいる戦場にいきなり強制転移させられる)
の作画レベルも高く見応えもあったので、
「俺たちの異世界道中はこれからだ!!」
エンドで終わっても別に不満はなかったんですが・・・
(この手のなろうとかじゃあるあるだしw)
むしろ2期を連続2クールでやるだけの意義ある作品を提供できるのか、そちら
の方が不安なんですけどね。
そういう意味では2期を観ないと正当な評価はできないところですが、1期もこ
の手の「異世界モノ」にしては(テンプレ展開ながらも)他の量産型作品と比
べしっかりと作られてる感があったので、そこそこよかったという印象ですね。
ちなみにWikiによると、日本テレビ史上最高金額で海外セールスされたとかw
ホンマかいな?!
OP「ギャンブル/syudou」
ED「ビューティフル・ドリーマー/Ezoshika Gourmet Club」に加え
「ああ人生に涙あり(水戸黄門)」をキャラソンでぶっ込んでくるとかw
「ギャンブル」の歌詞はYOASOBIに引っ掛けて
「~俺は夜なんて駆けない~未来に賭ける~♪」はなかなか秀逸だったし。
(ちなみにadoの『うっせぇわ』はsyudouの作品)
OP/EDはどちらも結構好きだったかな。