ヘンゼル さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
自衛隊という立場を使った物語の展開の仕方が上手い
原作未読勢、第2期まで視聴済み。
本作品の舞台は中世風の異世界と現代の東京という数多の作品で使用されている舞台であるため、取っつきやすさはありますが、新鮮さは無いと言ってもいいでしょう。
舞台の新鮮さありませんが、自衛隊をメインとした作品はライトノベルが原作のアニメとなると本作品ぐらいでしょうか。
そのため、テーマとしての題材はかなり珍しい部類だと思います。
作画はそこまで目を見張るものはありませんが、作画崩壊しているようなシーンはありませんでしたのでスムーズに観られると思います。
またOPクレジットを見ると銃火器などを専門的にデザインされている作画監督さんがいらっしゃるようですので、本作品で使用される銃や迫撃砲、戦闘機、戦車、装甲車といったものにこだわっている作品であるとも言えます。
その点を注目して観てもいいでしょう。
ヒロインが第1期の時点で、魔法使いの少女、金髪のエルフ、亜神と呼ばれる神と人間の中間で不死身の黒髪少女の3人が出てきます。
本作品のキャラクター描写としましては、3人目の黒髪少女の出番が非常に多く、残り2人の出番が殆ど空気だったのが残念でしたね。
第2期ではそうではなくなりますが、キャラクターの出し方に格差があると作品の全体的な感想として挙げておきます。
金髪エルフの娘は作品的にも扱いにくいキャラだと感じましたし、個人的にもあまり好みじゃないキャラだったなと思います。
本作品の面白さは、自衛隊という立場の不自由さにあると思います。
自衛隊は中世レベルの異世界の武力とは比べるまでもなく、圧倒的に高度な軍事力を保有しておきながら、政府や国民の世論によって、自衛隊という組織は動かされています。
それは異世界であっても同様で、たとえ力があろうとも、自衛隊であるからそれらを自由行使する事は許されないというものが、作品の物語の展開にもどかしさと、それと同時に「そのような困難をどう乗り越えていくのだろう」といった楽しみを与えてくれます。
自衛隊という立場を大いに生かしているため、非常に好印象です。
異世界物としても観ておいて損はない作品だと思いますので是非一度、ご覧になってはいかがでしょうか。