かんぱり さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
会話の面白さ、物語のほろ苦さも感じた時代劇アニメの良作
舞台は日本によく似た国の江戸時代によく似た尾張幕府の尾張時代。
流刑の島に鑢七実(やすりななみ)と鑢七花(やすりしちか)の姉弟二人きりで住んでいたところに完成形変体刀を集めるため幕府の奇策師とがめが訪ねてくるところから物語は始まります。
原作は西尾維新さんの小説ですが未読です。
この作品、色々と独創的で、通常1話25分くらいのところを1話約50分。
毎週ではなくて月1回配信して、全12話を1年かけて放映していたみたいです。
キャラ絵も独特な感じなんだけど作品の色に合っていると思いました。
見始めてまず感じたのが軽妙な言葉のやりとりの面白さ。
世間知らずで真っ直ぐな性格の七花とちょっとわがままで子供っぽいとこもある、とがめのやりとりも楽しい。
とがめから決めゼリフを強引に決められて、「ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな」にされるんだけど、その後七花が律儀にそのセリフを何回も敵に対して使ってたりしてたとこは可笑しかったです。
とがめの「ちぇりおー!」の掛け声も好きでした。
旅を続けるうちに二人の関係が少しずつ変わっていくところも良かった。
{netabare} 最初は相手を容赦なく斬っていた七花が、だんだんと人間としての感情が育っていったり、とがめも少しずつ七花に好意を寄せるようになって、最初はおんぶや肩車されるのを嫌がっていたのに、進んでされるようになったり一緒に温泉に入ったり寝たりしても平気になっていったり。。{/netabare}
敵対勢力の真庭忍軍たちも敵ではあるんだけど憎めない感じで好きでした。
でも否定姫と配下の不忍はちょっと好きになれなかった・・
{netabare}同じ目的を持っているならなぜ とがめを殺す必要があったのかわからなかったから。{/netabare}
でも{netabare}とがめが亡くなることは、今まで自分の復讐のために命を奪ってきたことを考えるとこれも仕方ないのかなと思ったり。
・・あーでも七花ととがめが旅を続けるエンドが個人的には見たかったな・・{/netabare}
え?って思ったのが4話。
{netabare}予告では敵と激闘してたのに、本編ではそのシーンが全くなくて話だけで強敵だったとか言ってて敵の剣士出番無くてちょっとかわいそうでしたw{/netabare}
完成形変体刀も様々な形、能力があったり、敵も個性派ぞろいで楽しめました。
ほろ苦い結末の話もあったりして、そういうところも良かったです。
キャラ絵にクセがあるので敬遠される方もいるかもですけど、面白い作品としておすすめしたいです。