てとてと さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

明るく痛快なヤンキー物の金字塔

90年代ヤンキー漫画の金字塔のOVA版。全10話。
原作既読だけど思い入れ乏しくほぼ覚えていない、ドラマ版は未見。
※作品データベース様より転載

【良い点】
軽妙なコメディーと硬派な不良喧嘩バトルのバランスが絶妙。
昭和末期〜平成初期(と思われる)の、不良学園物が生きていた時代特有のノリ。
主要キャラが魅力的、特に卑怯上等ふざけた男だが筋は通す三橋の存在感。
OVAなだけに作画や声優陣は豪華。尺も1話辺り37分かそれ以上あり丁度良い。

不良喧嘩バトルがガチ寄りな2話までも良かったが、3話以降のコメディー寄りな作風の方が楽しかった。
不良喧嘩絡みながらも日常の雰囲気も良い。
4話の修学旅行回がベスト回。嫌な先生ギャフンと言わせたり、千葉の戦闘狂中野登場で喧嘩バトルとドタバタコメディー。
主要キャラ間の掛け合いが面白く、三橋をライバル視するもいつも不幸な目に遭う今井は見ているだけで笑える。
今井を筆頭に、コメディーの黄金パターンが確立している。

勧善懲悪、因果応報の王道を外さない痛快さ。
敵の不良やヤクザや悪徳武道家は常に大人数で凶器持ちで卑劣、対する三橋たちは多勢に無勢で殴られまくっても最後には勝つ。
三橋も勝つためにクレバーな立ち回りこそすれ、決して卑劣漢ではない。
殴られ役は伊藤が担当してカッコイイ男気を示し、三橋が悪知恵も使ってギャフンと言わす、実に痛快。
弱っている相手は殴らないなどのポリシーもカッコよかった。

【悪い点】
身も蓋もないが、ヤンキー漫画のノリ自体があんまり好みじゃない。
2話までは視聴がつらかった。この点は本作が悪いのではないが。

女の子はかわいいがあまり存在感が無かったような。

【総合評価】8点
軽妙で親しみやすい、古き良きヤンキー物の良作。
原作や他ヤンキー物との比較はできないけれど、時代を超えて通用しうる内容はある。
評価は上方修正して「とても良い」