青龍 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
正しい解釈は一つではない
今回は、私がよくやる内容と直接関係ないが、間接的には関係あるシリーズ第3弾。
アニメ考察界の2トップといえば、『ONEPIECE』と『進撃の巨人』でしょう(異論は認める(笑))。
というわけで、今回は、「アニメの考察」について書いていこうと思うので、以降、興味のある方だけお付き合い頂ければ幸いです。
【「正しい解釈は一つではない」】
具体例が1期と関係のないネタバレなので、そこだけ隠します。
{netabare}ヒストリアが産んだ子については、幼馴染との間の子とされていますが、エレンとの子という考察もあります。
この考察に対する反論としてよく見る理由の1つが、作者も監修したとされる公式が幼馴染との子としているのだから、エレンの子であるはずがないというもの。 {/netabare}
ここで言いたいことは、どっちが正しいかということではなくて、仮に作者が違うといっても正解になる可能性があるということです。
お前は、何アホなことを言っているのだ。作者が違うと言っているのだから、それはありえない間違った考察に決まってるだろ!と思うでしょう。
しかし、仮に作者が違うといっても正解になる例が身近にあるのです。
それは、大学入試などの国語の試験問題です。
かつてのセンター試験などでは、試験問題に使うことについて著作者の事前の承諾は要らないので(営利目的ではないから)、出題について何も知らない作者が入試に出された自分の文章に対する選択肢を見てコメントすることがありました。
そこでよくあったのは、作者が正解とされる肢は自分の意図とは違うとコメントすること。
じゃあ、この場合、出題者側が正解とする選択肢は、作者が否定するありえない間違った解釈に基づく肢なので、訂正すべきなのでしょうか。
確かに、正解とされる肢が論理的に導けないとすれば、それは間違いでしょう。しかし、極端な話、作者がそういうつもりで書いてないと言っても、論理的にその解釈が成り立つのであれば、それは立派な正解になりえるのです。
考察の面白さは、もちろんそれがあたっているかどうかも一つですが、ときに作者もそこまで考えてないだろうというぶっ飛んだ物凄い考察に出くわすことにもあると思ってます(ただ、上のヒストリアの例がそうだと言ってるわけではない。)。
多くの人々を納得させるには、物語をよく読み込んだ上で根拠を示す必要がある。もっとも、その説明もありえると多くの人に思わせることさえできれば、解釈として立派に成立するわけです。
また、そういう異なる解釈が成立する作品は、違う物語を読むことに匹敵するような解釈を許容するだけの深みがあるということだと思うんですよ。
『進撃の巨人』は完結しましたが、作者は、あえて多くの謎を説明せずに残しました。本作を観るにあたっては、「正しい解釈は1つではない」のですから、いろいろな考察サイトを巡り、あーでもない、こーでもないと考えたり、議論するのも一興だと思うわけです。