とろろ418 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
音は綺麗だが、曲とは言い難い
【魅力的に思った点】
・シーンや台詞、キャラなど光る部分が結構ある
・作者が描きたいことが伝わってくる
【残念に思った点】
・物語が整理されておらず、右往左往している
・外的要因に頼りすぎている
・設定が全然活かされていない
【総評】
・70点
一言で表すなら、名作となり得るポテンシャルを持ちながら、技術不足により失敗してしまった作品でしょうか。
分かりやすい例で言えばラストの演奏シーン。シーンとしてはとても感動的なのですが、驚くことにここで描かれている回想シーンのほぼすべてが初出し情報になっちゃってるんですよね。ここって本来は視聴者も一緒になって「あんなことあったな、こんなこともあったな」と思い返すところなので、ここだけでも作品として構成が破綻してることが明白です。もしかしたら23話と24話だけ見たほうが余分な情報が抜け落ちて満足度高くなるまであるかもしれません。
設定周りに関してももっと活用して欲しかったですね。例えば青野の髪なんかは高校進学時など心境の変化を表すために切るべきだったと思いますし、名のあるマンモス校ならブランクのある青野が舌を巻くような秀才や天才がもっとゴロゴロいていいと思いました。
あとは兎にも角にも主題から離れがちなことが大きいですかね。主題がオーケスラなので外的要因で問題が起こるなら部活内及び音楽関連で、逆に外で問題が起こるならそれらから派生して然るべきです。{netabare}例えば母親が倒れるなら、前者の場合→演奏会を見に来た際に倒れる→途中離脱して病院へ。後者の場合→練習でヴァイオリンが壊れて、それを知った母親がシフト増やしてプレゼントしてくれるが、そのせいで過労となり倒れる。など。{/netabare}
前述の通り、ラストの演奏シーンはよく出来ているので、そこから逆算して作っていればもっと前後の繋がりがしっかりとした良い物語になっていたのではないかと思います。
【こんな人におすすめ】
・音楽、特に弦楽器やクラシックが好きな人
・名シーンのために物語の稚拙さに目を瞑れる人