てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
笑ゥせぇるすまんの女性版的なホラー。親子問題のビターエンド多し
「笑ゥせぇるすまん」で知られる「ギミア・ぶれいく」内で放送された、1話10分前後で全3話のショートアニメ。
笑ゥせぇるすまんの女性版な感じで、毒親(2話は毒妻)に潰されるゲストキャラの悲劇な内容。
※作品データベース様より転載
【良い点】
毒親毒妻に抑圧されるゲストに夢魔子さんが助言というか洗脳(というより少し抑圧開放?)
→途中まではゲストが良い方向に成長しかける→無理解な毒親毒妻に潰され→世にも奇妙な怪奇ホラーなバットエンド。
10分前後で起承転結分かり易く、夢魔子の怪しい魅力と転落していくゲストの悲哀を見せてくれる。
喪黒福造の女性版な夢魔子さん可愛い。ララァぽいインド美女で怪しげなミステリアスガール、川村万梨阿氏の声もキャラデザも可愛い。
キャラデザで夢魔子さんとその他モブを明確に美醜分けていて、夢魔子さんの美しさが際立つ、不二子作品らしい構図。
ゲストというか犠牲者の男たちを誑かす感じ、哀れなゲストがときめいてしまうのも分かる。
陰鬱なBGMも相まって、レディース誌の怪奇ホラーめいた雰囲気が出ている。笑ゥせぇるすまんとは雰囲気で差別化出来ている。
あと、本人たちシリアスなんだろうけど、傍目には少し滑稽で仄暗い笑いが喚起される辺りも笑ゥせぇるすまんに近い持ち味ある。
1話と3話は親の無理解で子をダメにしてしまう愚かさで、反面教師なテーマが分かり易い。
どちらかというと2話が一番興味深かった。
昨今のトレンドでいう所のトランスジェンダーを題材にした話、令和から振り返っても考えさせられる挑戦的な題材だった。
【悪い点】
夢魔子さん、喪黒福造に比べると地味。
どーん!みたいな決めセリフも無いし。ラストのオチでノーコメントでクールに去る、総括してくれないと地味。
喪黒が愉悦で悪魔的なのに対し、夢魔子さん中途半端に善意なのも印象薄い要因か。
私は夢魔子。あなたの夢の中から現れ、夢の中へ消えて行く……。なキャッチフレーズもあまり活かせていなかった。
本人に問題がある笑ゥせぇるすまんに対し、こちらは本人悪くないのに悲劇的末路なので単純に可哀そう。
まあ後味の苦さも持ち味なんだろうけど。
2話は現代の価値観からするとトランスジェンダー問題で引っ掛かりそう。
男は男らしくあるべき、変身はバットエンド、な決め付けは時代遅れ感。
とはいえ1990年の作品なので、的外れな感想ではある。
【総合評価】6~5点
笑ゥせぇるすまんにインパクトは及ばないものの、独自の持ち味はあり捨て難いショートアニメ。
長く続いていれば面白くなっていたポテンシャルを感じる。
評価は「良い」