てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
令和のレイアース…をやるには尺不足。捨て難い魅力はあり結構好きだった
異世界の日本(元の日本と少しずつ違う)に転移した少女たちが、装甲服?変身してバトルしたり、修学旅行したり。
作品データベース様より転載
【良い点】
前期「戦翼のシグルドリーヴァ」彷彿とする危機に瀕した荒廃世界観と、その割にゆるい雰囲気の女の子たちの旅行記。
少女たちは各々別の世界から転移してきた設定で、例えるなら別々の学校の生徒が寄せ集まって、戸惑いながら交流し行動共にする。
主人公リコちゃんが慣れない状況(戦闘)と対人関係両面で悪戦苦闘する様を、適度にコミカルに描いているのが面白い。
Ai(「Vivy -Fluorite Eye's Song-」のマツモトを呑気にした感じ)やオタクロスじいさんらとの掛け合いでコミカル。
シリアスとコミカルどっちつかずなのは否めないが、一風変わった作風は嫌いじゃなかった。
序盤は割とシリアス寄り、3話亡くした恋人の仇を討とうとする装甲息子回は、保身を図る住人との確執などハードな内容で良かった。
以降はミッションこなしつつ、崩壊世界での修学旅行めいたロードムービーで少しずつ親交深めていく…
ここら辺深みに乏しいものの、共通の体験をしていつの間にか友達になれていた感が、ラストの寂寥感で少し伝わった。
彼女たちは昔からの仲良しではない、なりゆきで寄せ集まっただけ。親密な絆は特に無い。それでも異世界修学旅行は無駄ではなかった。
ラストは「魔法騎士レイアース」少し彷彿とする。
リコちゃんにとって異世界での出会いや体験は決して無駄ではなかったと。
装甲娘や敵のメカ描写や戦闘シーンは中々。毎話戦闘でそれなりの見せ場はある。
リコちゃんの射撃外しもご愛敬。
【悪い点】
シリアスとコミカルが噛み合っていない。
描きたかったであろう少女たちの絆や成長の舞台背景としては深刻過ぎたというか、扱いきれていない。
中盤以降の修学旅行路線に序盤の悲壮感が活かされていない。
普通ならば生き残れるのか?元の世界に帰れるのか?諸々の不安ありそうなもの、それを感じさせない。
能天気に状況に流されるまま戦う、それは良い面でもあるが、盛り上がり所が終始不明瞭でもあった。
元の世界に帰りたい!とか、この世界を救いたい!とか、何らかの具体的なモチベーション示していれば大分印象違った気が。
キャラクターに関しては、良くも悪くもアニメキャラらしくない、普通にいそうな女の子たち。
上手く描ければ独自の魅力出せたかもしれないが、交流掘り下げが雑で魅力出せなかった。
0から親交深めるのに尺が決定的に足りてないのと、状況に流される事とコメディーに忙しくてキャラ描く暇が無かった。
スズノちゃんは良い線いってた気はするが…
【総合評価】4~3点
コンセプトは決して悪くない。
思うに足りないのは尺。このコンセプトだとどう考えても3クール4クールは必要。1クールじゃ土台無理。
名作「魔法騎士レイアース」だって、序盤十数話までの三人娘は結構グダグダだった。1話1話見れば微妙回も多い。
装甲娘戦記だって長い目で見ていればこの調子でも十分描けた境地があった気がする。
評価は悪い系は是非も無しだけど、嫌いじゃなかったので「普通」