てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
西洋風ダークファンタジーで好みだが、ドラマが浅く唐突感が惜しい
カプコンのゲーム原作のダークファンタジー全7話。本格派の西洋ファンタジーで7つの大罪モチーフのドラゴン退治のお話。
(ゲームは未プレイ)
※作品データベース様より転載
【良い点】
日本的な西洋風ファンタジーではなく、本場西洋式?なダークファンタジー感満載。
ヒロインが少し魔法使うが主力ではなく、オッサン主人公が泥臭く剣で戦う、こういう雰囲気は好ましい。
1話で中世騎士が鎧装着の準備を詳細に描いていたり、中世風の世界観描写が凝っている。
作画はフル3DCGのクオリティーが高く、キャラデザもアクションも背景も申し分なし。
流血もエロシーンも規制が少なくちゃんと見せてくれる。アンデッド系の敵がコワイ。
バトルは泥臭いが臨場感あり。アニメーションは高品質。
ストーリーとテーマが分かり易い。サブタイが七つの大罪、日本製漫画やラノベに比べてストレートに大罪表現していて分かり易い。
ドラゴンに妻子殺された主人公イーサンが覚者という存在に覚醒、謎のヒロイン・ハンナと共に打倒ドラゴンの旅をする…
過程で七つの大罪にちなんだゲストキャラの鬱ストーリーが展開していく。
バットエンドな後味の悪い話が多いが、そこが持ち味。こういうダーク路線なアニメもたまにはアリ。
タイトル「ドグマ」の通り、人間の弱さや愚かしさを見せるコンセプト。
5話の結末はバッドながら、欲に目が眩んだ男も改心して逝ったので救いはある感じ。
最終7話の真相明かしと結末も悪くはない。
また、全7話の2時間弱くらいの尺も丁度良かった。
【悪い点】
キャラクター描写の掘り下げや積み重ねが薄く、各話の大罪で狂う結末に唐突感が否めない。
3話の気弱男が高慢女を…も伏線や前振りが無いので(お前いきなり何やってんだ!?)と。女の方も気があった素振りが無かったろうに?
4話のゲスト男子は良い所見せたがやはり前振りが無いのでイマイチ。
4話5話辺りからイーサンが闇落ちしてくるが、やはり掘り下げや積み重ねが足りないので唐突感。
5話の金に目が眩んでも分かり易い話ではあるが、やはり唐突感が。
6話の精神攻撃破ったのも過程が雑でイマイチ。
7話ハンナのイーサンへの想いは良かったものの、道中もう少し交流がほしかったところ。
イーサンの闇落ちがドラゴンの呪いのせいであって、本人の葛藤が雑なのも残念。
ハンナが少しずつ人間らしくなっていくのは良いけれど、魅力に繋がるには至らず勿体ない。
良い点と裏腹、バトルが地味。外連味というか印象的な見せ場はあんまり。
【総合評価】4~3点
硬派な西洋ダークファンタジー感は好感持てたし話も分かり易いが、キャラクターの掘り下げが今一つだった。
何となく欧米受けしそうな内容。しかし日本製の漫画アニメラノベに慣れている層には物足りなさが。
評価は良いには届かない「普通」
【余談】
ドラゴン曰くイーサンは「傲慢」との事。
リゼロのナツキスバルも傲慢、主人公は傲慢が定番というところか。
ただ、イーサンはドラゴン打倒以外は全部捨ててるので全然傲慢じゃないような。
主人公ヒロインの人間性が逆転していく構図は「Blue Gender(ブルージェンダー)」を少し思い出した。