Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
獣の業 抗う魂たち その意志が暗雲を誘う 遺された灯で罪を怒りを照らし出せ
この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
完走して振り返って思う事…
壮大な物語だと思いましたし、しっかりトルフィンが奮闘する今後への布石を実感することができました。
だから、てっきりこれで物語は完結したとばかり思っていました。
ですが、レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、原作は絶賛連載中だったみたいですね^^;
私は大きな思い違いをしていたようです<m(__)m>
新たな千年紀を迎えたデンマーク・ユトランド半島南部。
仇敵・アシェラッド亡き後、
生きる目的を失ったトルフィンは、
「奴隷」として地主・ケティルに買われ、
彼が所有する農場で開墾作業に従事していた。
そこで、同じく奴隷の身分へと堕ちた青年・エイナルとの出会いをきっかけに自らが犯した罪と向き合い、
生きる意味を見出していく。
一方、イングランド王に即位したクヌートは
「楽土」の建設に向けて、
さらなる版図の拡大を目論んでいた。
これは“本当の戦士の物語(サガ)”。
プロローグのその先にある
“償いと救済の物語(サガ)”。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
第1話を見始めた瞬間、全く別の作品を視聴しているのかと思いました。
トルフィンと言えば、物心ついたころから自分の居場所は戦場で、数えきれない程の敵を切り刻んできたという印象しかありませんでしたので…
ギラギラした目つき…一度見たら絶対忘れることの無い獣の目…
それが第1期で感じたトルフィンのイメージだったのですが、第2期でお目見えした時には、身体から生気が半分抜けているのでは…と思えるぐらい、覇気がありませんでした。
しかも、奴隷にまで身を落とし、農場で開墾作業に従事しているなんて…
これまでのトルフィンをとは立ち位置が真逆…
そりゃ、視聴者だってビックリしますよ^^;
こうして第2期は農場での奴隷生活から物語が始まります。
でも、視聴を進めるうちに、色々と分かってきたような気がします。
人殺しだけが生き方じゃない…
伐採、伐根と土地を耕し畑にすることの大変さは、実際に身体を動かさないと刻み込めはしないと思います。
トルフィンは、これまで自分のためだけに生きてきました。
でも、第2期でのトルフィンは自分と自分以外のために生きようとします。
トルフィンが生きることに前向きになれたのは決して簡単なことではありませんでした。
どれだけ自分の危機が迫っても抵抗一つ…身体ピクリとも動くことはありません。
長年戦場で生きてきた経験がそうさせるのか…死にたいから動かなかったかは分かりません。
ですが、自分より先に動いて手を差し伸べてくれる人が居る…
同じ目標を分かち合える…
これが再び生に執着できた理由だと思います。
生きて償う…
具体的な方法が決まっている訳ではありませんし、そもそも償いが必要な方って、実際にそうはいないと思います。
だから償い方を知っているひとだってそうはいません。
日々を一生懸命生きて、暴力を止める…
そう結論付けたトルフィンに、もう幼少期の面影はありません。
ですが、戦乱の世で自分たちだけが巻き込まれずに済むなんて都合の良い話はありません。
大きな濁流に飲まれ…結局たくさんの血と涙を流す結果となりました。
でも、トルフィンは最後まで自分を貫き通しました。
けっして大袈裟なことでは無く、人々の記憶の中で生き続けるモノでは無かったと思います。
だけど、心に響いた人だってゼロじゃありませんでした。
これがトルフィンの闘いだ…というのは知らしめるには十分だったと思っています。
そして家族の大切さを改めて感じさせて貰いました。
住んでいる場所は違えど、血が引き合っているのを実感する展開だったと思います。
こんなに大団円だったのにも関わらず、原作は終わっていないのですから、どれだけ原作は壮大な物語なんでしょうね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、Anonymouzさんによる「River」と、Survive Said The Prophetさんによる「Paradox」
エンディングテーマは、LMYKさんによる「Without Loveと、haju:harmonicsさんによる「Ember」
2クール全24話の物語でした。
視聴に思いのほか時間が掛かってしまいましたが、完走して良かったと思える作品でした。
こういう骨太の作品は見応えがありますね。
しっかり堪能させて頂きました。