Mi-24 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人間の胎児に憑依して産まれる新人類「ウマ娘」
スペシャルウィークとサイレンススズカの物語。
悪くはないんだが、今一つ微妙な作品。
スペシャルウィーク。
新馬戦から皐月賞までの話しの流れは良かった。
でも日本ダービーでエルコンドルパサーが乱入して台無しに。
・日本ダービーのスペシャルウィーク。
・皐月賞と菊花賞のセイウンスカイ。
この二頭のライバル関係だけで、クラシック三冠は話しが作れるだろう。エルコンドルパサーのダービー乱入は余分で邪魔なだけ。
そして4歳古馬での話し。
G1、G2制覇で快進撃しながら「サイレンススズカに依存して不調です」は不自然でおかしすぎる。
サイレンススズカの復帰話しに無理やり絡めようとして、スペシャルウィークの話しが滅茶苦茶になっている。
サイレンススズカ。
結果が出ない苦労の3歳時期がカットされ、連勝街道まっしぐらの無敵状態から始まる。
序盤のサイレンススズカは「スペシャルウィークの憧れの存在」として、置物みたいな状態になっていて魅力がない。
運命の日。サイレンススズカが故障した1998年の天皇賞(秋)。
レース中の脚を痛めて走るシーンは、切ない悲しさが表現されていて凄く良かった。
しかし今回もエルコンドルパサーが乱入したお陰で、全部台無しのゴミエピソードに。
1998年の天皇賞(秋)で優勝したのは「オフサイドトラップ」。
オフサイドトラップは三冠馬のナリタブライアンと同期で、もう引退して当然の7歳。
しかし、オフサイドトラップは不治の病「屈腱炎」に冒されながらも勝利を信じて戦い続けた。
そんなオフサイドトラップの努力が実った、G1制覇の栄光。しかも7歳での天皇賞制覇は史上初の快挙である。
しかしこのアニメは「オフサイドトラップ」の栄光を「エルコンドルパサー」に盗ませた。
この卑劣な行為は、到底許容出来ない。
エルコンドルパサー。
架空の出走・乱入で日本ダービーと天皇賞(秋)を侮辱した罪は重い。
架空出走の小細工はせずに、凱旋門賞に果敢に挑戦する闘志溢れる姿を。
三冠レースには目もくれず、世界一を目指すエルコンドルパサーの勇姿を、普通に見せて欲しかった。
モンジュー(アニメ内での名称はブロワイエ)。
仏ダービー、愛ダービー、凱旋門賞と勝利して「世界最強」として、ジャパンカップに乗り込んできたモンジュー。
日本最強のスペシャルウィークと世界最強のモンジューの対決は、ちょっとあっさりし過ぎ。
エルコンドルパサーの思いも兼ねて、もっとじっくりやって欲しかった。
物語全体が今一つになったのは、安定した成績で「何時も強い」スペシャルウィークと、サイレンススズカの悲劇の物語が、致命的に噛み合っていなかったのが原因だと思う。