どどる さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
脳みそがほわほわになる
明るくテキト~な世界観で、バランス感覚に優れている。
ガリバー旅行記っぽい作品群は訪問先の人々が極端で風刺になっているが、主人公はそれに対して直接独善的なことを言わないというのが定番になっていて、夢のクレヨン王国もこのパターンに沿っている。
そして、夢のクレヨン王国がこれらの作品群の中で優れているのは、訪問先の極端な習慣を持つ人々に愛情を持って接していることだ。
そもそも「シルバー王女12の悪いくせを直す」という旅の目的が序盤で提示されるが、これが全く直らない。ひとつも直らない。
終盤とうとう満を持して訪れる大きな変化は…悪いくせが増えて13の悪いくせになるというもの。
シルバー王女に出来たことは、必要な時に悪いくせを引っ込めておくことだ。
悪いくせを引っ込めて義務のために振る舞うことは出来る。
でも、自分のくせを引っ込めたまま生き続けるのは息苦しい。
シルバー王女はもう一度悪いくせを全開にしながら天使たちを追いかける。
夢のクレヨン王国はどうやら「欠点は良いものではないが、無理に矯正することもまた良いとは言えない」というテーマを持っている。
その欠点は、何かで活きる個性かもしれない。
登場人物の悪いくせが直る(直りそうになる)エピソードもあるものの、やはり大上段からの説教や矯正ではなく、本人の内発的な変化が重点的に描かれている。
そういった作りの丁寧さが明確に意図されたものだと感じるのは、それ以外のパーツもよく出来ているから。
12人の野菜たちのようなサブキャラもチョイチョイと特徴的なことを言ってキャラを印象付けて行く。
ウメケロの強欲ババアエピソードと、ディックとレンコポッチのお話がすき。
そして重要なシーンで「どうでもいいけど」と連発するホーレソレは奇妙に印象的。
カブトボーグを思い出しちゃう。制作された時系列が逆ですね。ぼくはどっちでもいいけど。