てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
キャラの魅力と雰囲気が良い、60年代の痛快ヒーロー物。白黒だけどかなり面白い
60年代の白黒アニメ。少年ヒーローが超人に変身して悪と戦う、「スーパーマン」の少年版みたいな作風。
※作品データベース様より転載
【良い点】
1話完結の変身ヒーロー物として単純明快。主人公のパピイが「ピー!パピイ!」と掛け声で変身、悪党相手に無双する。
パピイの無双っぷりが痛快、変身後は殆ど苦戦せず圧勝。
…脚本に粗や素朴なワンパターンさはあるものの、全52話概ね楽しく視聴できる。
仲間の女の子のリコちゃん、気は優しくて力持ちなストロング、アラビアの魔法使いアジャババという個性的な面々。
パピイ自身も含めて仲間同士の雰囲気が良好、気の置けない彼らとの楽しい掛け合いで飽きにくい。
回が進むとストロングとアジャババがケンカしつつも仲良かったり、リコちゃんとストロングがコンビで活躍したりと話にバリエーションある。
パピイは変身後は無双するが、変身に諸々制約あり、それを良き仲間たちがカバーする感じのバランスも上手い。
この点は主人公が終始孤高だった続編の「遊星仮面」よりも良い。
また作風が明るめなのも、シリアス過ぎる遊星仮面よりも見やすい。
ヒロインのリコちゃんが可愛い。増山江威子氏の演技も妙に可愛らしい。
ちょっと我儘で勝気な女の子、戦闘力無いのに出しゃばる…と思いきや、中盤以降は機転利かせてパピイのピンチを何度か救う大活躍。
結構ハイスペックな女の子で、不意打ちで敵倒したり、パピイに的確な助言する聡明さなど、値千金な見せ場がある。
リコちゃんにスポットが当たる話が軒並み良回、コメディー的にも楽しく可愛い話が多い。
他個別回では48話「10時10分に気を付けろ」が印象深い。
異星人の子供を攫う悪の科学者の目的と真相…
滅亡する種族の悲哀と未来を子供に託す希望…この48話だけでも価値あり。
キャラデザやアクションなどの作画も白黒ながら十分に良い。
パピイは超人パワーでゴリ押しだが、敵の異能が多彩でバトルの外連味は中々。
最終52話のゴレムとの決戦はかなり良バトル。
主題歌やBGM、パピイが母を想う切ない挿入歌など、楽曲も良い。
【悪い点】
1話完結の単調なヒーロー物の域を出ず、ワンパターン。
忍者キリドビとか帝王ゴレムとかの強敵はいるものの、展開が似たり寄ったり。
この点は高いストーリー性のある遊星仮面に及ばず。
バトルがパピイ一強で仲間は戦力外。
パピイが変身できず苦戦する回は良いものの、最初から変身しちゃう回は「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」状態。
アジャババは魔法で見せ場多いが、単なる人間の力持ちに過ぎないストロングが殆ど役立たず。
特に前半の脚本に違和感ある回がちらほら。
25話のゲストの優しいロボットが報われてなかったり、28話で不殺言いつつ躊躇なく敵殺したり。
15話で侵略者を助ける、一見いい話風だが大量に犠牲になった地球軍モブが浮かばれまい…
無理してストーリー性出そうとしてイマイチな回多々。
終盤も仲間との別れでもう少し余韻がほしかった。
最終話でアジャババがいないのは寂しい。
良き仲間たちなだけに勿体ない。
【総合評価】7~6点
日本アニメ史上最初期の変身少年ヒーロー物で画期的名作かもしれない。
評価はとても良いか迷う「良い」
今見ると粗も多いけれど、古くても面白さは健在な辺りもやはり名作か。