Bハウス さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
目の前にある問題と向き合い続けた果てに
去年の新生児は80万人
人口減少は政府の予想よりはるかに大きく
数十年後AIが現在人類がついている
職種の70%近く代用することができると言われている今
SFとしての本流を提示してきた
非常に意欲作だと思う
この作品のキモとして出てくるのは
人間、AIとは違う存在ヒューマノイド
パーマンのコピーロボットやクローンとは違い
固有の人格を持ち人間と同等の権利も持っている
第一話からある女性ヒューマノイドが
人格をバックアップしようとしてウィルスに感染
初期化するという話が出てくる
最終話にも再登場するのだが
姿かたちは変わらないが初期化されることで
何かを失う強迫観念は共感できた
その後の話もAパート、Bパートごとに
ヒューマノイドがそれぞれの立場で
人間だったりAIと向き合っていく
この作品のレビューで「古典的なSF」と批判があったけど
確かにフォーマットは星新一のショートショートに近い
終盤になると主人公須藤(人間)と
看護師のリサ(ヒューマノイド)の出会いと
二人の関係性に向き合わされていく
ガワこそSFの要素が大きく見えるけど
本質は落語の人情噺かなと思うのよね
関係性の構築、変化を見せていく展開で
結末はどの話でもきちんとついていたし
ただなぜ須藤は収監されている
ヒューマノイドの母親よりもコピーに執着したのだろう
そこがよくわからなかったし
須藤に姿が似ている管理AI(マザーコンピューターみたいなもの)
ミチが協議会に入る条件として
紛争地帯にある須藤の母コピーをわざわざ
生身で取りに行かせたのだろう
本題の部分があやふやで
リサとの別れのシーンがストンと落ちなかった