てとてと さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.0
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
掴みどころが無いが独特な魅力感じる女学院ミステリー
男子高校生がミッション系女学院の学長になって、怪奇な失踪事件に挑んだりする学園ミステリー?
※作品データベース様より転載
【良い点】
他に類似作品が見当たらない独特な雰囲気。
閉鎖的だが自由奔放さもある女学院の気風、個性的な女生徒たち、謎めいた失踪事件が合わさり、ミステリアスな感じ。
祖母や謎の老婆や怪しい儀式やってる3年生など意味深な行動や言動するキャラが複数いて、彼女らの存在も独特な雰囲気を演出していた。
怪奇的ではあるが陰鬱さは少なく、心地良く不可思議な雰囲気を楽しめる。地味なのに不思議と退屈させない。
楽曲の雰囲気も良い。EDが良曲だが、OPのメロディーも雰囲気盛り上げていた。
初期設定の印象に反し、ハーレムどころかラブコメ感が殆ど無く、女生徒同士の百合というわけでもない。
静かに淡々と事件が起こり、主人公の高校生学園長・海平は事件を追ったり女生徒と交流したり、
校風に厳しいジャスミン先生と軋轢あったり…
自由な個性と裏腹の閉塞した女学院の空気感の中で、各々が悩み、行き場の無い青春の情動が、失踪事件に関連しているかのような展開。
失踪や帰ってくる条件が、海平が試行錯誤する中で少しずつ何となく分かってくるような?
具体的にどういう感じの話なのか、霧がかかったようにあやふやなまま進行するも、雰囲気が良く、不思議と興味持続させてくれる感じ。
ミステリーとしてはファンタジーのままいつの間にか収束してしまうが、そんなあやふやさも本作特有の魅力と思わされる。
全般的にキャラクターが物静かというか、あまりベタベタしていない感じも特徴。
個性を最大限に尊重する校風故か、女生徒は野良猫的というか、独り静かに自分のやりたい事をやるタイプの子が多い。
可愛さや萌えよりも、ちょっとずつ魅力的に感じる。
海平も特にコミュ力高いタイプではなく、それでも事件解決や学園長として彼女たちと真摯に関わっていく交流劇が良かった。
最初は流され系主人公だった海平が、女生徒やジャスミン先生たちに揉まれ翻弄される過程でいつの間にか成長する。
独りでキャンプする枕木史子との夜会話シーンはラブコメ感とは別の雰囲気の良さあり。
ジャスミン先生が悪い人ではなく、最終的には海平を認めるのも良かった。
【悪い点】
良い点と裏腹、地味かつ独特過ぎる作風。
ミステリーとしてはあやふや過ぎてそこを期待する作品ではない。
萌えやラブコメと無縁だったり、具体的にここが見所、ここが盛り上がり所、というのが分かりづらい不思議なアニメ。
ラストまで見ても謎や伏線の多くが未回収なので、消化不良感は否めず。
作画は背景は良いがキャラデザが地味というか、この時代の深夜アニメに多い過渡期の塗り。
絵的にあまり萌えない。
声優陣に、あまり上手くない方が散見。
【総合評価】7~6点
独特な雰囲気アニメ。
本サイトの基準だと数値低くなるけれど、非常に魅力感じる。
作品内で具体的な成果を求めるタイプの作品ではない。
不可思議であやふやだけど、こういうジュブナイルもアリって事だ。
評価はとても良いかどうかちょっと分からないけれど「良い」以上は付けたい。
「宇宙海賊ミトの大冒険」の前番組との事。
この時代のテレビ東京系深夜アニメは、地方民アニオタには魅力的に映る…