タック二階堂 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
また会ったときに恥ずかしいからね。
詳細は公式サイトでも見てください。
言わずと知れた小学館『週刊少年サンデー』連載中の、原作・山田鐘人さん、アベツカサさんの作画によるコミックスの待望のアニメ化作品。累計発行部数1,000万部突破。第14回マンガ大賞、第25回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した作品です。
制作は「宇宙よりも遠い場所」のマッドハウス。監督は「ぼっち・ざ・ろっく」の斎藤圭一郎さんです。
初回は、なんと日テレ「金曜ロードショー」2時間枠で放送。OPにYOASOBI「勇者」、EDにmillet「Anytime Anywhere」という力の入れよう。まさに「約束された覇権アニメ」といったところでしょうか。
10年にも及ぶ魔王討伐の旅により勝利を収めた勇者一行。だが、エルフ族のフリーレンにとって10年というのは、たいした時間ではない。しかし、せいぜい100年ぐらいしか生きられない人間にとっては、10年……しかも青年期の10年というのは非常に長く、そして重い。
そんな寿命のギャップによって、フリーレンには大抵のことは取るに足らない事象。だからこそ、50年に一度の大流星群も単なる現象でしかない。
他者に対して、あるいは森羅万象さまざまなことに深い興味を持たなかったフリーレンだが、ともに旅をした勇者・ヒンメルの老衰死に「なぜ、もっと人を知ろうとしなかったのだろう」と落涙する。そして、人というものを知るために、フリーレンは10年前の軌跡をたどる旅を始める。旧友・ハイターの遺した弟子・フェルンとともに…
というお話です。
初回2時間SP。ケチのつけようがないスタートダッシュだったと思います。全体的にトーンを抑えめにした演出。これが、本作の世界観を実によく表現されていると感じました。【推しの子】の動画工房が失敗できない背水の陣だったように、マッドハウスも絶対にコケられないお膳立てをされ、それにじゅうぶん応える成果物を出してきたという印象です。
この作品のために、わざわざ金夜にアニメ放送枠を作った日テレ。その子会社であるマッドハウスは、ジブリが傘下に加わった日テレに対して存在感をアピールできたんじゃないかと思う初回でした。
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
この作品をアニメ化するのって、かなり難易度が高いんじゃないかなって思っていました。なにせ、フリーレンのキャラが淡々としていて、感情の起伏が少ないタイプだから。
それでも、2クールに渡って原作の空気感をしっかりと再現していて、それでいてストーリーの構成も文句なし。下馬評の高すぎる期待感を軽々と超えていった傑作だと思います。
もちろん、これだけの話題作ですし、また2期で会えるでしょう。だから、涙はしまっておきました。
だって、また会ったときに恥ずかしいからね。
{/netabare}