てとてと さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

白い砂のアクアトーブよりも沖縄ファンタジーしてたショート。捨て難い魅力あるが物足りず

沖縄のホテルを舞台に、沖縄の女子高生と東京から来た青年が、ひと夏のフシギ体験をしていく?ボーイミーツガール。
1話辺り2分で全12話。オムニバスではなく連続ストーリー。
※作品データベース様より転載

【良い点】
沖縄を舞台にしたひと夏の幻想的な雰囲気を、パステルカラーのセンスの良い作画で表現。
同時期の「白い砂のアクアトープ」よりも遥かに沖縄ファンタジー要素を作劇に活かせている。
コンセプト、物語の根幹部分に関しては、白い砂のアクアトープよりは完成度が高かった。
(というかアクアトープのキジムナーとはいったい…)
ヒロインのマイセちゃんなど、沖縄的な?大らかなキャラが多い。短い尺で大らかさとフシギ体験の戸惑いを両方感じる。
その良き雰囲気のもとで、地元の女の子と東京から来た青年のボーイミーツガール、この時点で好感持てる題材。

がまがま水族館ばりにフシギ現象起きつつ、マイセちゃんとススギイチロウがなりゆきで交流していく。
僅か2分(歌除けばもっと短い)で状況に翻弄されながら、ほんの少しずつ距離が縮まる感じが良かった。
ふたりとも挫折を経験しており、フシギ体験を共にするうちに、自分がどうしたいか?ありのままの自分?的なテーマがありそう。
尺的にそこまで掘り下げられないが、好意的に見れば曖昧さもまた持ち味と取れる。

連続ドラマとして縦軸ストーリーの内容が中々良い。
フシギ現象にまつわる沖縄の神や化け物の伝承、それにちゃんと原因があり、逃避して沖縄に来た青年と関係があった顛末は面白い。
1話から通してみれば色々伏線があり、見返すと理解が深まりそう。

主題歌ED「お伽話のような奇跡」も中々良い。

【悪い点】
あまりにも短くて持ち味出せていない。通してみれば20分以上あるが、1話1話がブツ切りで、週一視聴だと非常に分かりづらかった。
沖縄の伝承を盛り込んだストーリー性は良いが、短過ぎて説明不足。
短い尺でフシギ現象に翻弄されているうちに終了、また次の日常系からスタート、また翻弄と、とりとめが無い。
雰囲気こそ良いが、深まる暇が無く終了して次の話が始まってしまう。

マイセとスズキのボーイミーツガールも、フシギ体験に翻弄されるのに忙しくてあまり深まらず。
スズキが不愛想でとっつき難いのもあってか、終始淡白なまま終了。
ほんの僅かずつ距離が縮まる感は良かったものの、そこから弱いまま終了であと一歩印象に残らず。

【総合評価】5点
捨て難い魅力を感じる沖縄ファンタジーボーイミーツガールなんだけど、短過ぎて限界があった。
せめて1話辺り5分あれば大分印象違ったか、1話23分程度のOVAとかに纏めても良かったかも。勿体無い。
評価は良いに惜しい「普通」