カール さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
承認要求が強いほどサンキュー獲得に必死な説
「動物さん大集合よ~♪」
そうやってお子さんと一緒に視聴すると、
脅迫、暴力、美人局、遺体処理、殺人など、
世の中の黒い部分が
ドロドロ出て来るものだから、
「ちょっと早かったかな~」
と、親御さんは慌てて、
アンパンマンの動画にチェンジする。
「見てくれだけで判断してはダメ」
という、
お子さんの情操教育にも
もってこいの本作品。
内容はといいますと、
個人タクシーの一般ドライバーが、
ヤクザのいざこざに巻き込まれながらも、
洞察力と皮肉めいた会話術で、
悪党どもを一網打尽にするお話。
テレビの2時間サスペンスでも
やってそうな内容ですが、
2時間では収まりきれないボリューム。
一応13話で解決していますが、
所々腑に落ちない点や、
そもそも話の締めが不穏な感じ。
すっきりしたい方は、
「劇場版見てね」という、
いわゆる「あのね商法」丸出しですが、
TV版だけでも十分楽しめると思います。
ただ、こういった作品は、
明確に表現しないことで、
考察というかこじつけし放題なので、
人によって話の深みも増していきます。
例えば、
本作品の真犯人でありラスボスの
和田垣さくら。
アイドルオーディションに落ちても、
「グループに入れろ」と直談判。
一見すると自信家で行動力の化身なのだか、
その反面、異常なまでに自己肯定感が低い。
-ずっと母親に迷惑をかけている。
私なんか何の取り柄もない。
消えてしまいたい……-
同一人物とは思えないほど、
気持ちの振り幅が大きい。
こんなふうに彼女を作り上げたのは、
一体誰なのか?
最も怪しいのはやはり母親である。
-夢破れたお母さんからしたら、
あんたは眩しい。
どんな手を使ってでも、
夢を叶えなければいけない-
親からの教訓にしては、
なかなか物騒なことを言っていますが、
実際に娘は、
物騒な手段で夢を叶えてしまいます。
そういえばもう一人、
自己肯定感が低いのに、
目立ちたがり屋がいましたね。
SNS中毒でドブを追っていた樺沢太一です。
あっさりと返り討ちにあい、
その流れからなぜか、
ドブからカウンセリングの体をした
誘導尋問がなされます。
ドブの言葉通りに内省し動機を語る樺沢。
-注目されたかった……-
項垂れる樺沢にドブは更に深掘りします。
Q.どうして注目されたいのか
A.他人から認めてもらいたいから
Q.なぜ他人から認めてもらいたいのか
A.自己肯定感が低いから
-自信が無いから、
自分で自分を認められない。
そのくせ、
自己愛だけは人一倍強い-
ドブの言葉に感化された樺沢の本音は、
-こんな自分が大嫌いで、
消えてしまいたい……-
和田垣さくらと同じことを言っています。
そして、
彼女も樺沢同様に「目立ちたい」
承認要求モンスター。
こんな樺沢が抱える問題に対し
ドブの応えは、
-不特定多数ではない、
自分が信じられる、
尊敬できるメンターを探せ。
評価の軸があればブレない。
それが難しければ自己承認。
自分で自分を認めること-
樺沢はドブからの教訓に目が覚め、
過去を精算し新しい評価基準を模索します。
ただしそのセミナー料として、
全財産をドブに差し出すのですが。
樺沢にとってドブは、
メンターではないにしろ、
完全にドブに操られているのは明白です。
では同様に、
自己肯定感が低くて目立ちたがり屋の、
和田垣さくらはどうなんでしょう。
彼女の軸は全くブレません。
殺し屋でもない普通の女の子が、
「消えてしまいたい」と呟く彼女が、
夢のために躊躇せず人を殺すのです。
彼女は全て自分の意志で動いていたのか。
それとも、
メンターの言葉で操られていたのか。
実行犯は和田垣さくらですが、
この事件は本当に、
彼女一人の犯行なんでしょうか。
「どんな手を使ってでも
夢を叶えてみせる」
次のターゲットを決め、
スマホ越しに母親へ伝える彼女。
そんな娘の言葉を聞く母親の心情は、
一体どのようなものなのでしょう。
下手すると
この物語が根底からひっくり返る。
夢見る少女のサクセスストーリーは、
夢破れた母親の復讐劇へと変貌する。
果たしてその真実は!
続きが気になる方はサンキューしてね♪
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ありがとうございました。