ato00 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
感無量
水の惑星アクア。
太陽系第四惑星火星です。
遥か遠い昔、火星には海があったそう。
それが気候変動により、今のような赤茶けた砂漠の星に。
しかし、今でも火星の地下には氷として水は存在しているらしいです。
ARIAの舞台は、大規模気候操作によりテラフォーミングされた未来の火星です。
地下に眠っていた水や大気が開放され、いにしえの火星が復元されています。
火星の自転周期や自転軸の傾きは地球とほぼ同じです。
だから、火星には地球のような四季があります。
ただし、火星の公転周期は地球の2倍くらい。
このため、のんびりしたペースで美しい風景が循環します。
それはまるで、あくせくした地球に「もう少しのんびりしない」と言わんばかり。
劇場版第二弾、BENEDIZIONEでとうとうARIAは終了のようです。
TV版第1期、ANIMATIONから数えて20年弱。
よくも、のんびりと継続したものです。
最終回は、総決算的な話ではありません。
日常の延長というか、特別なものではないところがARIAらしいです。
今回は、姫屋が舞台。
つまりは藍華と晃さんの物語です。
姫屋といえば、ウンディーネ業界一の大企業。
藍華は跡継ぎの宿命を負わされていたのが、灯里やアリスとは大きな違いです。
紆余曲折はありつつも成長した藍華は、過去の伝統にとらわれません。
しっかりとした考えを持ち、姫屋を背負う覚悟に頼もしさを感じました。
TV版第3期、ORIGINATIONで軽く触れられていた藍華の昇進試験の詳細が描かれています。
藍華と晃さんの、当人でなければわからない独特な関係性が、少々微笑ましく思えました。
感慨深いですが、この辺でARIAレビューをお開きとしましょう。
ネオ・ヴェネツィアの海に沈む夕日を思い描きながら。