フェイルン さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アリスとテレスの意味
初見だとファンタジーな世界設定と現実との相関関係がやや難解で全ては理解しきれず。
少年少女の青春期にありそうな閉塞的でネガティブ気味な心理描写と恋愛描写を繊細に表現しているあたりに岡田麿里作品特有の物を感じ取れた。
世界観としては、スマホが見当たらず、田舎で取り残された閉鎖空間や廃墟に何処となく昭和末期あたりか平成初期あたりのレトロな美しさを感じた。
テーマは生きることやら恋愛に取れるが、他にもいわゆるセカイ系を意識した感じにも取れるので、本作で本来魅せたいテーマがごっちゃになっていて勿体ない。
なかなか万人に薦めにくい作品ではあるが、岡田麿里脚本作品だと、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「空の青さを知る人よ」がやや本作に近い部分もある。その他、岡田麿里が脚本などで関わった作品が好きならば観る事をお薦めしたい。
あと、なんでタイトルが「アリスとテレス」かは、パンフレット内の岡田麿里のインタビューに書かれてますが、哲学者のアリストテレスに合わせてテーマについて哲学的に考えたいという思いから残しているのだとか。深く考察するほどの大きな意味は無いみたい。