てとてと さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
全体的なストーリーは悪くないが作劇が拙くて退屈気味(好意寄り)
超能力で怪異と戦う主人公たちが、実はディストピアな世界で?諸々の陰謀や謎に挑んでいく感じ?
ゲーム原作で全26話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
全編通してのストーリーは悪くない。世界観や状況説明が丁寧で、キャラたちが何を目的に動いているのかは常に分かり易い。
「僕のヒーローアカデミア」を思想統制ディストピア寄りにした感じの世界観や状況設定は良かった。
SF作品としては中々練られている、超能力も科学寄りの解釈で着々と設定が明かされ、それが主人公とヒロインにしかできぬ
異能を絡めてドラマが進行。1000年前の建国の秘密など時間スケールが大きく、タイムリープの理屈付けも併せて見応えはある。
同じく超能力とディストピアな同時期の「NIGHT HEAD 2041」よりは格段に世界観と設定がストーリーに活かされていた。
主人公は選ばれし超能力者で、人々を怪異から守る怪伐軍に志願し志に燃えていたが、次第にディストピアの暗部や陰謀に…
な流れから、自分の在り方に葛藤したり、次第に明かされる世界の秘密、為すべきことをヒロインや仲間たちと模索していく。
序盤展開のテンポは悪いものの、12話辺りからは新事実判明の連続で中々に飽きさせない。
実は○○だった!実はこのキャラの目的や背景は…
唐突感はあるものの、積み重ねて話が繋がっていく。
ゲーム原作らしい会話劇による状況や設定解説の丁寧さ故に、話が繋がってくると面白い。
内ゲバや陰謀の連続ながら、終わってみれば敵対したキャラたちにも切実な想いがあり、案外悪人がいない。
主人公やヒロインも含めて、主要キャラの切実な動機あり、ドラマ面も悪くない。
主人公は地味ながら終始自分が出来ることを貫いたし、全て解決した後に政治家志すラストも爽やかで好感持てた。
【悪い点】
世界観や状況説明を丁寧に進行する事に注力する一方、キャラクターの交流掘り下げが疎か。
主人公もヒロインも悪くないキャラだけど地味。
良き仲間たちもいるが仲間となる過程が乏しく、個々の交流掘り下げがほぼ無い。モブとまでは言わないが、キャラに興味持てない。
彼らの会話劇は専らSFストーリーの進行解説に費やされ、キャラの魅力に繋がらない。
「キャラ萌え」要素が乏しい。
12話以降はともかく、前半が状況見えないままグダグダと内ゲバに終始していて退屈気味。
キャラドラマもカサネと姉など良い線いきながら、込み入ったSF解説で忙しかったり
複数軸のキャラの思惑が進行していて、キャラドラマ面が分りづらい上に、余韻も乏しい。
最後まで通して見れば分かるけれど、2クール作品としてテンポがかなり悪いので途中経過がストレスフル。
通してみれば最近のSFアニメとしては悪くはない面もあるんだけど、総じてイマイチ面白味に欠けた。
説明的な会話劇で進行していくのはテイルズなどのゲーム的(ディレクターがテイルズの人らしい)だけど、
ゲームとアニメは作劇の仕方が違う。アニメのキャラクターはプレーヤー操作ではなく視聴者は傍観者、
ゲーム的シナリオをアニメ脚本に落とし込めていなかった。それで2クールは厳しい。
作画は綺麗ではあるが、バトルに面白味が乏しい。ヒロアカめいた超能力バトルも序盤以降は低調。
バトルが面白くないので、ストーリーの盛り上がりに繋がらない。
キャラデザは悪くないが、戦闘中顔が隠れてしまうのが難。絵的に地味だった。
【総合評価】3~2点
完走してみれば著しく悪い作品ではない気もするけれど、2クール視聴の価値があったかは微妙なところ。
評価は悪いが妥当な気がするけれど、最低限の興味持続しつつ、終わり良ければ…「普通」