エイ8 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「仕事ってなぁ体壊してナンボなんだ!」
やめて……そんなこと言うのやめてクレメンス……
『迷宮ブラックカンパニー』(めいきゅうブラックカンパニー)は、安村洋平による日本の漫画。
2021年7月から9月までTOKYO MXほかにて放送された(wikipedia)
タイトルからして「なろう」系だと思っていたら漫画原作でした。そういうわけだからというわけではないでしょうが内容は思ったよりまともだったように思えます。
主人公の二ノ宮キンジ(にのみや キンジ)は日本ではプロニートとして不労所得で暮らしていくことに成功しながらも、唐突に異世界に転移させられそこで借金をこさえ最底辺の労働環境で日々こき使われることに。ところがひょんなことからデトモルト魔鉱遺跡に住んでいた魔神リムを懐柔することに成功し、そこから色々ありながらも成り上がっていくというのが物語の大まかな流れ。
元の世界ではニートしていたとはいえ、親族の遺産などを食いつぶしながら軍師気取りであれやこれや批判し「俺はまだ本気出してなかっただけ」と言わんばかりに異世界で突如覚醒したりだとかご都合主義的なチート能力を与えられて無双するタイプではなく、実のところ元から有能で労力も惜しまない人がニート出来る環境を整えただけのことなので成り上がっていくこと自体に違和感はありません。
最初の頃はクズ感がかなり強調され労働者仲間を催眠状態にしてこき使ったりしてましたが、そういう序盤の描写以外では案外まともな経営者のように振舞ってました。
漫画原作ということも関係してか?ハーレム的な展開にはなりません。リムは一応女性キャラのくくりでしょうが、ヒロインというよりは娘といった感じで、しかも最終回に至っては存在感すら希薄になってました。
どちらかというとキノウ・シアが正ヒロインと目されるのでしょう。本編とOPではそこそこツンデレの様子を見せますが、せいぜい仲の良い戦友レベルのものでしかありませんでした。とはいえ一度キンジから思いっきり片乳揉まれてましたが。
むしろ本編の流れからいえば敵役であるベルザ・シューバッハの方が因縁じみたものが多い構成でしたね。最後はキンジの部下となった様子からいっても一種の「ざまあ」系に見えなくもありません。
本作に登場するキャラは皆一様に「苦い過去」をもってるようでした。とはいえアニメではそこまで消化されていません。原作はまだ続いているようなので完結した暁にはまとめて読みたいと思うぐらいには面白かったです。
個人的にはキンジとベルザがくっついてランガが実は二人の子孫という展開が観たいような気もw
ただ一つ苦言を呈するとするならば、キンジが過去から未来に戻る時に日本に戻る選択肢も提示されたのですが、彼はそれを拒絶しました。その理由自体は用意されてましたが、普段のキンジの心情や行動からすればやっぱあれは帰る選択するんじゃないかなあと思わずにはいられませんでした。あそこは変に日本に戻る可能性を提示するのではなく、結局帰れないんかいとした方が良かったかも。