てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
トンデモ料理アニメの完結版。尺不足が否めないが善戦してくれた
トンデモ面白料理バトルアニメ。1997〜98年放送のアニメ、のリメイク版。全24話。
※作品データベース様より転載、2期通してのレビュー。
【良い点】
不服は多いものの、一応ちゃんと完結させた。
97〜98年版では未放送の、五虎星(敵幹部たち)との対決をやってくれたこと自体に意義がある。
尺が大幅に圧縮されていて、特に面白い主要なエピソードを厳選しているので、時間が足りない視聴者向けには良いかも。
主人公マオや主要キャラの紹介から、本作特有の世界観(19世紀の中国を舞台に料理勝負で命運決めるノリ)は分かり易く伝わる。
「食戟のソーマ」の先輩、(そうはならんやろ…)な奇想天外な調理シーンや、審査員の過剰リアクションなどなど。
ソーマ並みに審査員が脱ぐが、全員オッサンで濃い。大真面目にやっているのに笑える面白さ。
敵の行動もいちいち面白い、(お前ら料理しろよ…)とツッコミ所満載だが当事者は大真面目である。
仮面料理人リエンにマオ「で?タレは?」な煽りなど、中華一番の可笑しみは存分に味わえる。
悪の組織「裏料理界」やら謎の神器「伝説の厨具」などの少年漫画的なノリ自体が楽しい。
後半の敵はバトル漫画ばりのトンデモ超人揃い、料理漫画とは思えぬぶっ飛び具合が加速。
作画はまぁまぁで声優陣も2019年現在の人気声優起用するなど、アニメの作りは申し分ない。
【悪い点】
尺不足。前回52話のアニメ化を12話に再構成、当然ながらダイジェスト版にならざるを得ない。
エピソードが飛び飛びで、レオンはともかく、シェルと対決後に親交深める過程が抜けていつの間にか仲間になっていて掘り下げが浅い。
後半の主要キャラであるサンチェとの出会いと親交深めるエピソードが無い、サンチェの見せ場も削られてしまっている。
キャラやエピソードの積み重ねが全然足りない。
劣化リメイクな前半部分は価値が低く、前作未踏の部分も丁寧とは言い難い。
五虎星もカイユとエンセイとの対決が省かれた。
ラストの落としどころも微妙。裏料理界ちょろすきる。
前半の前作アニメと重複する話は削って、ちゃんと完結させてほしかった。
作画や演出も悪くはないが、90年代も十二分に良く、あまり進歩していない。
声優陣も今作も悪くはないが、初代の方がより良かった気がする。(仮面の復讐鬼リエンは速水奨氏の方が良かった)
【総合評価】5点
あまり良いアニメ化とは言い難いものの、それでも特有の面白味は流石。
評価はやや甘いが「普通」で変わらず。