「COBRA SPACE ADVENTURE-コブラ スペースアドベンチャー(アニメ映画)」

総合得点
63.9
感想・評価
29
棚に入れた
98
ランキング
4095
★★★★☆ 3.5 (29)
物語
3.5
作画
3.6
声優
3.3
音楽
3.4
キャラ
3.6

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nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

寺沢武一さんを偲んで、本作を観賞しました。

 寺沢武一さんがお亡くなりになられたとのことで、追悼の意味を込めてレビューします。本来はTV版のスペースコブラが原作準拠なのでそちらがふさわしいかもしれませんが、追悼の気持ちで作品をちゃんと見てレビューしたほうがいいと思い、作品の中で一番印象が強かった本作を選びました。

 まず「コブラ」という作品ですが、唯一無二ですね。日本では珍しいアメコミ調の作画、コンピュータを早くから導入して独特の色彩感覚がありました。ストーリーそれ自体はまあルパン的なハードボイルドですが、サイコガン、パートナーのアンドロイドのレディという2つの要素が素晴らしかったです。特にサイコガンは海賊で鍵フックを置き換えたものでしょうけど、心で曲げることができるという設定に痺れました。(原作冒頭は「トータルリコール」との類似性が指摘されることはありますが、まあ、参考にはしているかもしれません)
 後でTV版レビューするかもしれませんが「ラグボール」も印象に残っています。ゲック…でしたっけ?あのキャラの展開が衝撃でした。

 本作については、スピリチュアルな内容と結末、3姉妹の悲劇性と運命、クリスタルボーイの不気味さと強さなど「要素」が素晴らしい作品でした。ストーリーはちゃんとあるんですけど、3姉妹としゃべってイチャイチャしてクリスタルボーイと戦ってとそれだけです。ですが、3姉妹・クリスタルボーイのキャラ設定と展開が素晴らしいので3姉妹をめぐる壮大なストーリーを見たような感覚になります。
 80年代のアニメにしては、結構ハードな展開で大人向けと言える作品かと思います。今回見ても衝撃が強かったです。それで印象に残ったとも言えます。

 話に奥行がないのでストーリーの評価は低くしてもいいですが、考え方を変えると無常観がある不思議な感覚の文学的作品で、非常に優れたストーリーとも言えます。中庸で3.5としますが、ある意味では4.5とかつけてもいい気もします。
 それを裏付けるかのような冒頭の「この世に神などない」のセリフですね。この映画の開幕の言葉は、その後の展開と重ねるとひどく心をざわつかせます。そして最後をどうとるかが観客に委ねられます。

 80年代の映画ということで作画に古さはありますが、キャラデザは魅力的だし出崎演出なので魅力的な画面に仕上がっています。
 また、コブラの声優さんが野沢那智さんではなく、松崎しげるさんなので違和感はありますが、声の系統が重なるのか途中から気にならなくなりました。

 ということで、追悼視聴とレビューですので簡単にはなりますが、素晴らしい作品を観賞しつつ、また日本のコミック・アニメを支えてきた巨星が堕ちたなあという寂しさをかみしめています。

投稿 : 2023/09/13
閲覧 : 99
サンキュー:

7

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