蒼い✨️ さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
センスが古い。
【概要】
アニメーション制作:Production I.G
2022年2月4日に公開された113分間の劇場版作品。
原作は、KADOKAWAより刊行されている上橋菜穂子による小説の「鹿の王」
監督は、安藤雅司・宮地昌幸。
【あらすじ】
東の大帝国ツオル(東乎瑠)に支配されているアカファ王国。
アカファが降伏後も戦い続けた山岳地帯の少数民族の戦士団“独角”の頭目であった、
ヴァンもツオルに敗れて、“独角”の最後の生き残りとなり、
地下にあるアカファ岩塩鉱の労働奴隷となっていた。
ある晩、噛まれれば死病に冒される黒い山犬の群れが岩塩鉱を襲撃。
全滅に近い状況でたった二人の生存者。
噛まれながら生き残ったヴァンは同じく噛まれた女児のユナを拾って脱出して旅に出る。
その一方で、ツオル帝国に吸収された旧オタワル王国人の高名な医術師のホッサルは、
黒い山犬による謎の病気の原因と治療法を探していて、
生存者であるヴァンの足取りを追っていた。
伝染病から生き延びた血の繋がりのない父娘の絆と、大勢の生命を救いたい医術師。
これは、運命に抗って生きようとする人間たちの物語である。
【感想】
原作小説を読んでないのですが、ジブリの影響が強そうな絵面のアニメ。
原作サイトにキャラクターイラストがあるのですが、原作とアニメでは全然違うじゃん。
アニメだとヴァンはあしたのジョーのドヤ街の日雇い肉体労働者みたいですし、
ユナは真ん中の前歯がなくて謎のパワーで身体を乗っ取られて意識を失ってるときは、
昆虫みたいで気持ち悪くて可愛くはない。イケメン枠としてホッサルだけは優遇されてますが、
ヴァンとユナとサエのキャラデザは確実に原作のほうが良くて、アニメのは古くて野暮ったい。
原作の読者層などに真面目に向き合わずに、制作者らが良いと思う、
ジブリっぽいものだけを作っていれば売れるという思い込みは捨てたほうが良いですね。
惹かれるキャラクターもなく、もののけ姫っぽいファンタジー調のヌメヌメした演出の多用。
妻子を亡くしたおじさんと孤児となった幼女の義理の父娘の絆とか、疫病の謎とか、
国家間のバイオテロの話とか、山犬の王とか、鹿の王とか、いろんな要素があるのですが、
原作4冊分の分量を2時間弱でまとめようとすると無理があったのか、消化不良で中途半端。
会話自体がつまらなく感じたのも、会話中のアニメーションが宗教アニメみたいで退屈。
上手なアニメ会社は会話の間をアニメーションで飽きさせない演出力がありますけどね。
多くのジブリ作品でアニメーターとして活躍した安藤雅司監督が、ジブリこそ最高という価値観で、
もののけ姫の模倣をしようとして、退屈なアニメを映画を作ってしまったのでしょうかね?
今までの経験上、宮崎駿・高畑勲監督の真似事を他の人がやっても面白かった記憶がないですね。
井上俊之氏をはじめ、日本でも上位のアニメーターが多数参加していて、
動物の動きの作画など、アニメーションとしてはしっかりしているのでしょうが、
そのアニメーターの能力を監督が持っていても、
演出家の勉強や経験を段階を踏んで積んでおかないと、
いきなり監督をやっても必ずしも演出家として成功するとは限らない見本でしょうね。
多分、作品を楽しもうと思ったら、
この映画を観るよりも原作小説を読んだ方が良さそうに思いました。
あまり書きたいことがなくて適当ですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。