てとてと さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

兵器少女との交流と成長。SFジュブナイルで魅力多々あり捨て難い、が惜しい

ライトノベルの戦闘機アニメ。
メンタルモデルの戦闘機版みたいな女の子と一緒に主人公が戦闘機で戦うお話。
※作品データへーす様より転載

【良い点】
設定や世界観は面白い。
「蒼き鋼のアルペジオ」「トータルイクリプス」「デートアライブ」「戦闘妖精雪風」等々の過去作で見たような要素上手く組み合わせている。
主人公が戦闘機で普通に活躍するのも、ラノベやロボットアニメなどのお約束と見て許容範囲。

見所はアニマと呼ばれる戦闘機の化身ぽい女の子たちとの交流劇、設定面で主人公と交流する流れが自然。
アニマたちはいずれも可愛く個性も十分、また人ならざる出自故の葛藤を抱え、ドラマ面も丁寧に掘り下げている。
人間とAi(アニマはAiではないが、近い印象)の関係や在り方、的なテーマを感じ、かなり良い線行っていた。
ライトノベルの萌えと分かり易さでもって、戦闘妖精雪風の超取っつき難いテーマ、の片鱗を(極々僅かながら)示し(かけた)。
八代指令など基地の大人たちのキャラも良い、彼らの人となりや考え方の対立なども、テーマに絡んできて見所だった。

ジェット戦闘機物としてはまずまずだが、女の子の人格を持ちながら実態はAiぽいアニマたちの立ち回りや干渉で戦局が動いていく、
その度に中々の緊張感があった。

メインヒロインのグリペンがかなり可愛い。キャラデザも好み。2019冬アニメでも上位の可愛さ。
感情の機微に疎い→慧との交流で徐々に女の子らしい一面が見えてくる。
感情が薄い、ポンコツ、大食いなどのあざとい萌え属性を発揮していく。

舞台となる小松の御当地アニメとしても中々。
グリペンとのデートシーンもほのぼのする。

【悪い点】
全体のストーリーや置かれた状況が終始説明不足というか、ツメが甘い。
構成のバランスの悪さが作品全般に響いた。
主に主人公とアニマたちの交流に力点が置かれているのは自然としても、それに終始して大局はよく分からず終了。
終盤大きな作戦→不気味な敵地に侵入は面白かったけれど、中途半端に終了してしまった。

主人公は悪くはないキャラだったが、地味。
全体のストーリー上はあまり関われてない感じ。
所詮はラノベ主人公の域を出ず、ハードSF路線で主役張るには力不足な印象。

グリペン以外との交流掘り下げが不十分。

幼馴染のミンホアちゃんが徹底的に不遇でかわいそう。
結果的に幼馴染が負けるのはよいにせよ、最初から存在意義が不明だった。

【総合評価】5～4点
SFとしてツメが甘いのは仕方がない。娯楽ラノベアニメなのだし。
ただ、この中途半端な内容では良い評価は難しい。
評価は良いに若干惜しい「普通」

このまま駄作として埋もれていくと思われるが、ちと勿体ないアニメ。