エイ8 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
驚異の構成力
『異世界おじさん』(いせかいおじさん) は、殆ど死んでいるによる漫画作品。
2021年6月18日にアニメ化が発表され、2022年7月よりAT-Xほかにて放送中(wikipedia)
原作は刊行分は既読済み。
この漫画は少し特徴的な構成がされており、そのせいでやや野暮ったい印象があったのですが、アニメではこの点が実に上手く昇華され極めて良質なシュールコメディーの様相を呈していました。
構造としては、元の世界に帰還を果たしたおじさんこと嶋㟢陽介(しばざき ようすけ)と高丘敬文(たかおか たかふみ)、それにたかふみの幼馴染でもある藤宮澄夏(ふじみや すみか)の三人がおじさんの異世界での記憶をモニター(のような魔法)越しに楽しむものの、その場合の基本的な視点としては異世界での出来事を第三者視点で鳥瞰し、適時元の世界からの質問や説明、突っ込み等感想が入るといった流れでした。便利なのはその都度一時停止出来る事ですよね。それどころか早送りや巻き戻し……いや、早戻しでしたかwそんなことまで出来るというまさに動画鑑賞感覚。この辺もヒットした要因なのかも。それともやはりSEGAの魅力のなせるわざなのだろうか……
原作を見ていた者としては、本作は当初単なる勘違いものにするつもりだったんじゃないかなあと思います。ツンデレエルフさんも、当初の感じだと本当にただその場で消費されるだけの被フラグクラッシャー要員だった感じでした。どっかの町で蒔いたという設定もその時の名残なんじゃないかと。それがあれよあれよという間に人気が出て、何故かオーク顔おじさんの鈍感ハーレムラブコメの様相に。おじさんみたいなもんが平気で女子の体を触りたくれるのも含めてちょっと無理があるよなとは今でも思ってますw
そもそもの魔法の設定にしてもイマイチよくわからないのが日本語で唱える場合と異世界語で唱える場合の差。まあ多分理由があるんでしょうがちょっと真面目に考察する気はありませんw
とはいえ適当に場当たり的に作ってるのか意外とちゃんとよく練り込まれて作られてるのかわかりにくいところも個人的には好きな点ではあります。17年の転移期間は少し長すぎる気もしますし、そもそもこういう場合って「転移」って言うの?という疑問もあります。この場合の帰還ってどういうことなんでしょうね。おじさんの体は異世界では再構成されてましたが、日本に戻る場合はそれを捨てた、ということなんでしょうか。いずれにしろおじさんの体が残っていたのはある意味偶然でしょうし、17年も眠っていながらリハビリもなく速攻社会復帰できている点からみても今の体も異世界での魔法が何か作用している可能性はありそう……などと真面目に考察するだけ無駄な気もしますがw
ただまあ、最初におじさんの異世界語に生返事を返していた看護師さん、あれは多分異世界時での知り合いか何かでしょうね。少なくとも今回アニメのラストで会釈していたところからみてもそういった使い方をするんだろうと予測しました。(原作ではあんなシーンなかったです)