ひろたん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
世代交代の時期の雰囲気が良くも悪くも出ていた
私も吹奏楽部でしたので、このシリーズはとても好きです。
ただ、いままでの作品に比べると今作はもう少しだったかなと言うのが素直な印象。
上映後の劇場の雰囲気も満席に近い割には全体的に無言で少し重ぐるしく感じるくらい。
他のお客さんも期待値には届いていなかったと思っている感じなのでしょうか・・・。
■引退した3年生の存在は偉大
{netabare}
実は、指揮者、部長をはじめとする3年生の存在が偉大だったと気づかされます。
特にあのド派手な雰囲気の指揮者の田中あすか先輩!
その雰囲気で部を引っ張ってきたのがそのままアニメの印象にもなっていたようです。
でも、その偉大な先輩が抜けてしまいました。
そして、どちらかと言うと、おとなしめな2年生を筆頭とした部になりました。
とくに今回部長になった久美子は、その性格上、表面的には、派手さはありません。
そんな久美子自身も3年生の偉大さをいやと言うほど痛感していました。
最初は、なんとか雰囲気だけでもあすか先輩に似せようと四苦八苦していました。
そうなんです、新部長になって一番悩めるのがこの時期なのです。
そんな中で、久美子は、自分が部長としてどうあるべきかを模索していきます。
そして、徐々にではありますが、「久美子部長」らしさを見つけていきます。
これができて初めて本当の部長になれる、そんな大切な転換期を描いた作品でした。
{/netabare}
■この作品の雰囲気は実は意図したもの!?
{netabare}
今までの作品の延長線上で観ようとするとちょっと物足りないかもしれません。
それは、この作品は、北宇治高校吹奏楽部の射影そのものだからです。
そして、その吹奏楽部は、引退した3年生が作り上げてきたものでした。
それが、世代交代するタイミングで、一度、リセットされるのは当然のことです。
そう考えると、今回の作品は、ある意味その雰囲気がとてもよくでていたのでは?
実は、引退した3年生とのギャップを見せるのがこの作品の意図だったのでは?
そう思うと、あながち悪いとは思えないんです。
私は、確かに、今までの作品の雰囲気と同じものを期待した部分はありました。
でも、それではダメなんです、今回は。
なぜなら、「これからだから」なので。
今回は、久美子部長が成長するきっかけをつかむ大切な物語でした。
今回の作品の雰囲気は、おとなしめですし、生ぬるい部分はあったかと思います。
それでも、その中にはふつふつと熱いものが芽生えたことを感じることができました。
{/netabare}
■まとめ
私も、吹奏楽部の部長でしたので、久美子の気持ちが痛いほどわかる作品でした。
私もカリスマのような先輩とは真逆のタイプでしたので、本当に共感しかありません。
とにかく久美子部長には、がんばれ!がんばれ!と言いたくなる作品でした。
来年、3年生になった久美子部長が全国大会にどのように挑むかがとても楽しみです。
ところで、パートごとに楽器を持ってポーズをとっている写真が作中に登場します。
そうそう、やったやった、こう言うの!って感じです。
吹奏楽部だった人には、とても懐かしかったんじゃないでしょうか?