ちょま さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
大傑作
20年ぶりくらいに鑑賞。小さい頃すごく好きで繰り返し見ていた作品なので「まぁ思い出補正もあるだろう」と思ってたのだがオイオイ、完成度えげつねぇな!
魔法があれば楽できるのではないかと、もしもボックスで魔法世界を実現させたのび太。しかしその世界では今、悪魔による地球の危機が迫っていた!
実際に魔法が生活の場に密着したあのワクワク感!
かと思えば突然現れた自分たちの姿をした謎の石像という不気味なホラー描写!
悪魔の星で危険な冒険ハラハラドキドキ!
極めつけはパラレルワールドや時間軸をうまく利用したSF描写!
最後は映画キャラとの友情描写をはさんできれいに締め!
子供が好きな場面の連続ってだけでただただ楽しいのに、何がすごいってこれだけのボリュームと要素を詰め込みながらこれ以上にないレベルで完璧にまとまっている!セリフの間のとり方やリズムまでが心地良く、このテンポ感はもはや一つの曲だ。クライマックスの大魔王との戦いなんか数分もないのに、みんなが力を合わせる姿、その演出の盛り上がりに大興奮!
小さい頃は純粋に楽しんでいたが、いやぁ〜一本の作品としてのまとまり方が凄すぎ。無駄がなく、しかし淡白でもない。大事なシーンをキチッと並べ全体のドラマもちゃんと出来上がっている。どのシーンもダレない・早すぎない・間延びしないの三拍子。特に最近のTVアニメはキャラ描写に凝ってるせいか、ワンシーンワンシーンの描写が結構ゆっくりめ。それもあってかこの作品のテンポ感はなおさら目を見張るものがあった!
ただそれこそ昨今のアニメとは違いキャラの深堀はないのでそこを期待する人には物足りないだろう。いやそもそも子供向けアニメでそこまで求めるのも野暮ってものだが。魅力的な部分はちゃんと見せてくれるので駄目ってわけでもないしね。
わずか97分(これもすごい!)でファンタジー・SF・ホラー・アドベンチャーが味わえる大傑作。当時の制作陣の凄さを思い知った作品であった!