てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
デュラララからキャラの魅力と外連味抜けた地味作品。ドラマの内容は良いので捨て難い
池袋を舞台に主人公がカラーギャング(不良集団?)達と交流したり、社会的弱者を虐げる悪を懲らしめたりするお話。
原作小説及び2000年放送のテレビドラマは未見。
※作品データベース様より転載
【良い点】
若くして地元の平和と正義を守る、ちょっとしたフィクサー的な立ち回りする主人公、こういうヒーローもアリかと。
カラーギャング団やそれと親密なフィクサー主人公が警察にも信頼されて社会悪を挫く、創作作品ならそういうのも良い。
舞台設定や雰囲気は古臭いが、昔のヤンキー漫画のノリと思えば特に気にはならない。
基本1話完結の社会派&人情劇としては、地味ながら丁寧に真摯に作られていて好印象。
麻薬やブラック企業などをギャフンと言わす勧善懲悪として王道的、主に社会的弱者に寄り添う優しい作劇も良い。
社会から弾かれて悪に虐げられ追い詰められているゲストキャラたちを、主人公マコトが救う流れは十分見応えある。
主人公の、冷たい現代社会に対する反発や信念(自己責任論ではなく相互扶助?)も、まあ分かる。
マコトを後押しするマコト母の存在感も大きかった。
個別回だと4話が一番良かった。
ある意味「魔女の旅々3.4.9話」より鬱度高いビターな結末ではあるが、父が亡き息子の罪と真実に向き合うラストは印象残した。
また、特定の思想信条に偏向させない公平な視点も好感持てる。
9話のヘイトスピーチを扱った回では、結局黒幕は俗物なヤクザという事にして、右も左も指導者は良識的、踊らされてただけという構図。
他の回も黒幕は金と勢力確保したいだけの俗物な悪なので、その他皆が弱者という事で割と性善説的な作風に出来ている。
動画工房による作画は安定感あり。
声優陣はゲストキャラの石田彰氏の鬼気迫る演技は流石。話自体は陳腐だが、石田氏の演技でカバーされた。
また津田健次郎氏は2000年のテレビドラマにも出演されていた模様。
【悪い点】
「デュラララ」からキャラの魅力や展開の外連味を殆ど取り去ったみたいな、地味すぎる作風。
1話1話手堅い内容で悪くはないが、手堅すぎて予定調和、とにかく面白味と華に欠ける。
ミステリーというか探索パートもご都合主義が目立ちイマイチ。
人情路線も23分の1話完結ではやや駆け足感。テレビアニメの尺と相性悪かったような。
マコト以外のキャラの掘り下げが乏しい。
中国人技能実習生でマコトの義妹になる女の子(名前忘れた)とか可愛かったのに、以降マコトとの交流が殆ど無い。
一応終盤健気さは見せたけれど。
社会悪懲らしめと弱者救済のドラマは悪くない反面、カラーギャングの抗争路線はイマイチ。
時代遅れな設定が2020年アニメとしてあまり機能してなかった感。
2つのチームのリーダーにあまり魅力感じない。タカシはクールで良かったが、もう一人の赤髪(名前忘れた)は単なるアホ。
美青年同士の交流や絡みで見せ場あるわけでもなし。
世界観の根幹たるカラーギャングたちに魅力感じられないのはかなりマイナス点。
ヤクザによる離間の計が前半と終盤2回あり、展開に代わり映えがしない。
終盤は緊迫感はあったがやや雑、いきなり女の子がタカシを…も白けた。
社会弱者に寄り添う路線も同情はできるが、共感できるかは微妙な話が多い。
これは自分の立場や視点の問題であって、本作が悪いわけではないが。
【総合評価】4~5点
内容は決して悪くはないというか、むしろ良質な社会派ドラマではある。
ただ、面白いか?と問われるとやや微妙なところ。
評価は良いでもよさそうな気はするが、良い寄りの「普通」