りぃたん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ジャズと純文学の混じり合った正統派な匂い
1960年代の長崎佐世保、
ジャズをBGMに、懐古的、
甘酸っぱい爽やか青春人間模様。
長崎の建物や自然、
高度経済成長期の雰囲気がよく描かれ、
髪型や服装、レコード店など、懐古的で、
旅情を感じさせてくれました。
懐古的なのに、じっとり暗くなく爽やかなのは、
キャラクター達の性格がいいから、
それに、九州長崎の風景だからかな。
そんな懐かしくも美しい背景が、
登場キャラクターたちの青春の思いを、
美しく引き立て、心に染み渡ります。
5話の{netabare}寝台列車のシーンは、
アニメで、あるようであまり見られない、
古い寝台列車内部の雰囲気を、
現実的によく伝えていると思いますし、
淳兄さんの東京のアパートは、
匂いが感じられるほどで、
過去、あんなアパートに行ったことのある人だったら、
それを思い出させるほど、{/netabare}懐かしく臨場感があります。
話がそれますが、
めぞん一刻(1980年代の話ですが)の
古いアパート一刻館のようで、
めぞん一刻も、こんなティストで見てみたい、
と思ってしまった私なのでした。
ただ、原作通りなのかもしれませんが、
人間ドラマの展開は珍しいものではなく、
いまいち新鮮味がない気がしますが、
それはそれ、かえって万人が共感できる作りなのかもしれません。
それに、心境を比喩するような
音楽使い、小道具使い、台詞回しなど憎らしい演出があって、
私は、毎回クライマックスで、
胸に迫るものがあり、うるうるしてしまうのもまた事実なのでした。