Mi-24 さんの感想・評価
3.8
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
悪人ではないが、無能な主人公
スピード感のある戦闘シーンが好き。
音楽に乗って戦場を駆け回るバルキリー。実体か虚像か?不確かな存在になって飛び回るワルキューレ。バルキリーがバトロイドにならず、殆どファイター形態で戦うのも良い。
戦術音楽ユニット「ワルキューレ」が凄い。
歌声で対象に干渉している事になっているが、明らかに音波で伝わる歌声などではない。
ワルキューレの「歌声」は影響範囲内に居たら、防御不可能。
空気のない宇宙空間でも伝わるし、伝達速度も音速などではなく、範囲内に一瞬で届く。
そして要塞や核シェルターなどに隠れていても、範囲内に居る限り影響を受ける。ニュートリノのように障害物を貫通して対象に干渉してくる。
核兵器などワルキューレに比べたら目ではない。
まさに「ワルキューレ」は悪魔の広域制圧兵器である。
Δ小隊のストイックなエースパイロット、メッサー・イーレフェルト。
自分を厳しく律し、目的達成へ着々と努力を重ねる。視野が広く、同僚への気遣いや過剰な遠慮なく、問題点を指摘できる。
へっぽこ集団のΔ小隊の中にあって、メッサーは唯一の希望だった。
空中騎士団キースとの死闘。
カナメへの切ない思い。
壮絶な最後に鎮魂のクラゲ祭り。
メッサーと彼が織り成す物語りは素晴らしかった。
悪人ではないが無能な主人公のハヤテ・インメルマン。
・いつも気だるげで、やる気がない。
・大口を叩く癖に、いつも結果が伴わない。
・指示待ち人間で、自発的な行動が取れない。
・現状把握が出来ず、問題解決の行動も起こせない。
唯一できるのは、フレイアに笑顔をあげる事だけ。女性関係(フレイア限定)以外何も出来ない。
ずば抜けたワルキューレ能力を持つフレイアの「意欲向上」と「精神安定」が出来るのは凄い事だが、それ以外が酷すぎる。
「ワルキューレは俺が守る!」と大口を叩くが、全く実践出来ない。いつも空中騎士団にしてやられる。
フレイアの命懸けの支援や、偶然の幸運で何とかなっているだけなのに、現状改善の為の努力をしない。
戦闘中の、敵への過剰な気遣い。
敵にやられっぱなしで余裕がない癖に、ふざけているのか?
独り善がりな自己満足の為に、同僚を危険な目にあわせて、同僚に多大な負担を掛ける。
途中で切っ掛けは幾つもあったのに、全く成長しない。
メッサー死後の決意の言葉、「メッサーの意思は俺が引き継ぐ!」はなんだったのか。
一番酷いのが、同僚逹のハヤテへの行き過ぎた過大評価。
「ハヤテは使えないが、憎めない奴」などの正当な評価がされずに、過剰に褒め称えるから気色悪い。
何事にも動じない強者、美雲・ギンヌメール。
身を削りながら献身的支援をする、フレイア・ヴィオン。
それに比べて、お調子者のハヤテは明らかに見劣りする。
メッサー戦死以降の話しが面白くないのもそうだが、主人公のハヤテが一切成長せずに、ポンコツのままだったのがこの作品を駄目にした元凶だと思う。