てとてと さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
心理描写重視の小説を映像のみでやって大失敗。とにかくつまらない
児童文学原作のノイタミナ枠。野球というよりも、バッテリーを組む少年たちの心理劇?
※作品データベース様より転載
【良い点】
青春劇としてテーマは素晴らしい(多分?)
アニメとしてはノイタミナ以外ではまずやらない珍しいタイプなので、それだけで一定の価値はある。
抜きん出た才能を持ち、芽生え始めた幼い自意識を制御できない少年と、もう一人の少年含む周囲の葛藤。
野球というスポーツそのものよりも、バッテリーのふたりに絞って思春期?の葛藤を繊細に描(こうと試みた)。
作画は綺麗で、田舎町の風景で閉塞感をさりげなく醸すなど、雰囲気は合っていた。
【悪い点】
題材ゆえに仕方がないかもだが、終始刺々しい雰囲気に辟易する。不快感が酷い。
楽しくないのはともかく、途中経過はもちろん、最終的に何ら進展が無い(ように思える)のは辛すぎる。
題材が王道な成長劇ではなく、少年たちのドス黒い感情や、その中で惹かれ合う絆(俗な言い方だかBL)と思われるが、
楽しみづらい。ノイタミナらしい題材かもしれないが。
ここまでは自分の好みの問題なので、まだ許容範囲。
モノローグや会話劇によるキャラ描写の分かり易さを徹底的に排除してしまっている作劇。
アニメ作品としての狙いは何となく理解はできる、アニメ的な分かり易さを無粋と見なし、頼らぬ表現に挑戦したと思われる。
ただ、これが致命的に失敗だった。
原作小説が面白いのは三人称による地の文や、登場人物の心理を細かく表現する分かり易い文章表現の賜物、
アニメは小説の表現が使えない(当たり前)代わりに映像や分かり易い会話劇で表現しなきゃならない。
雰囲気に関しては映像である程度は表現出来ていた気はするが、キャラの心理描写はサッパリ欠落していた。
後に残るのは退屈さと不快感だけ。
【総合評価】1~2点
高尚な小説様に憧れて低俗なアニメ如きの表現は使わんぞ!と意気込んで大失敗した駄作というか、駄作ですらない。
狭量なアニメファンとしては、こういう意識の高い作り方自体が気に食わない。
本作と似ているのは「惡の華」だと思う。惡の華の方がネタ的に面白いけれど。
評価は最悪にしたいが映像表現は良いため一段上げて「とても悪い」