退会済のユーザー さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:今観てる
報われるだけの世界
初めに、一部登場人物の特徴を挙げていきます。
ブラック企業体質が染み込んでいる主人公・佐藤亮太(以下リョータ)はコツコツと地道に努力を積み重ねていく性格。自分だけが主導権を握ろうとせず、仲間も活躍させようとお膳立て役に徹している面もある。目の前の事に集中して周りが見えなくなることがある。それに…。{netabare}一人で無理をしてしまうことがある。{/netabare}
純真無垢で可愛いエミリー・ブラウン。
しかし…。
{netabare}Gと遭遇すると性格が豹変してしまう模様(笑)また、リョータの事はお母さんと重ねているようで恋愛関係には発展せず?冒頭のもやしドロップだけ?で2年ぐらい生活しているのは貧しさを表すためにそうしたのでしょうか。{/netabare}
ぱっと見掴み所がないキャラだが、人参には目がないイヴ・カリスリーダー。{netabare}口癖は低レベル嫌い。{/netabare}
生真面目な性格で受付嬢をやっているエルザ・モンスーン。
{netabare}リョータにファーストキスをしたということはエルザが恋愛対象?{/netabare}
その他は省きます。
この作品は世間的には「クソアニメ」と言われてしまう作品なのでしょう。
なので世間の評価や売り上げを気にする人には全くおすすめできません。
ただ、クソアニメと言われる作品でも疎らにこうしてアニメ化され放送されると言う事は表現の自由が確立されていてその点はまだ捨てたものじゃないなと私は感じました。
ニーズが無くなれば自然淘汰されます、それが世の摂理です。
原作は知りませんが、アニメとしての作画は全体的には他作品に比べると低水準な箇所も目立ちますが、それだけでは片付けられない魅力があります。
逆にこういった陳腐な異世界物で作画が高水準だと、無駄に良い作画、他の作品にリソースを割くべきだとケチ付けるのに苦言を申すのはおかしな事ですね。
例え、崩れていようが時代遅れだろうが、キャラの魅力が引き出される場面や設定を活かした話の繋げ方が際立っているように私は感じます。むしろ作風に合った作画かと。
設定からの話の繋げ方は突っ込みどころが多々あるものの、次の展開に繋げるためにそうしたのか!と納得できました。
{netabare}例えば素手だと気持ち悪い上に早く処理するために銃を使った、適応するために色々と試している主人公なかなか実直です。初めての世界で完璧に対処できたら何だかおかしいですよね、実はここに来たことある!?とか。{/netabare}
展開が全体的にありふれていて正直薄いですが、必要最小限の動きや言動の中にある遊び心含めて脳内補完させられる楽しさ…そう勝手に私が印象付けているアニメーションの良さに適合しており、面白いです。
例えば、画面内の人参を美味しそうと思うだけでなく、どんな味なのか、どのくらい甘いのかなんて想像させられたり、イヴのチョップはどのくらい痛いのか、どこまで通用するのかなんて想像させられる…これが私にとっては醍醐味なのです。異世界物に対しての考え方として自分は世界に入れない、けれどキャラを理解すればその世界に入ったも同然ではないかと言う訳です。要はプライドを捨てて原作者に転がされればその先は未知の発見の連続。それにユニークスキルという設定自体は素直に面白いと私は思いますし、たまに出る顔芸も面白い(笑)
単に作品の世界をリョータ目線で知っていくだけなので、置いてけぼり感もありません。
むしろ完璧に辻褄が合う話を観て面白いのでしょうか。
私にとっては陳腐かどうかなんて関係なく、楽しめました。
この作品は先程述べたように空想としての想像力があるほど楽しめる気がします。
容易に予想できない作者が思考する都合の良い世界、着実に強くなっていく主人公とそれに影響される個性的なヒロインたち、帰るべき場所がある幸せ{netabare}(五話のネプチューンとの腕相撲のシーン後明白になりましたね){/netabare}、自身の経験から不幸な他人を助けようとする善、というのが明確なテーマになっていて、ビーストテイマーと似て登場人物全体に嫌味がなく、安心して楽しめますね。
逆に何か不幸なことを望んでいる人には物足りないと思います。
何より、{netabare}異世界として世の中の様々な食料や物品だけでなく、水や空気などもダンジョン内でモンスター倒すと出てくるドロップ品で賄われる所やレベル1でもユニークスキル「ドロップスキルオールSランク!」で頑張れば頑張る分だけ強くなり報われる、そういった{/netabare}何でもありな設定が素直に面白く感じますね。
加えて私的にイヴが可愛く見えます。イヴはまさしく天才の特徴そのものですよね、外見(バニーガール姿)を気にせず、空気を読まない(読めない)、大抵の事は自分で何とかする力があり、目的達成のためなら他がどうなろうとも成功させ、自分さえ満足ならそれでいい、気に入らない者は排除、結果良ければ全てよしと。
こういう個性的な上に裏表がないキャラは個人的に好きですね。
今後、主人公と関わるうちに一所懸命な人柄に影響されていくのでしょう。
また、アイキャッチのセンスが良いですね、観ていて癒やされます。安直なHシーンがないのも好印象。
所々細かいキャラの仕草、背景の色使いには拘りを感じます。
誰にでもおすすめできる作品ではありませんが、異世界系に飽き飽きとした人でなければ暇な時に観るのもありですね。
自分がブラック企業経験者のアニメ好きという体で、もしくは終わらない仕事、報われない努力、口だけ根性論上司の言いなり、逃げ場がなく誰にも助けられない虚無感(昭和に一部存在した24時間働けますかの雰囲気)を既に味わっている人達には癒やしの空間で良いのではないでしょうか。
恐らく作者がそれを意図して作品を書いているわけではないのでしょうが、仕事に追われていただけの冒頭の主人公にとって、この世界というのは心地よいのだろうと何だか言葉には表せない経験からの同情心が芽生えてきました。
現状と過去の比べ方も、無理矢理感があまりない分、しっくりきます。
私自身原作未読なので、これから、どんな人達と出会い、どんな状況に遭遇するのか、期待であります。
矛盾はどうだっていいです。
他のアニメよりも作画やその他劣っている分、自分にはクソだとしか感じないと断念するか、設定の矛盾を突っ込みまくるか、私みたいに主人公の生い立ちと展開される物語、主人公、ヒロインたちが何を考えているか、作風の心情に沿って捉えられるかでこの作品への印象、評価は別れてきますね。
各話の感想は面倒なので省きます。
単純に分かりやすく嫌悪感なく楽しめるこの作品はそこまで悪い作品だと私には思えません。
また、六話は声優である福緒唯さんが初めてTVアニメの脚本を執筆したとのこと。
視聴しましたが、キャラの掛け合いが楽しく、相変わらずリョータが試行錯誤し、進められていく展開に目を離せません。
{netabare}今回は新キャラセレスト登場ですが、イヴはあまり登場しませんでした。エミリーの絵描き歌が可愛かったですね!しかし、キャラの登場が何だか遅いような気が…。公式サイト上だと、残り一キャラのアリス・ワンダーランド次回出てくるか?{/netabare}
初めての脚本との事ですが、キャラの特徴を活かしているようで楽しめました。これからの活躍に期待ですね。
残りの回もリョータとその仲間たちが奮闘しながらも報われていくような癒やし枠として今後も楽しみにしています。
星は自己基準です。8/13投稿。
8/20追記。
本当は更新するつもりなかったのですが、ちょっと気になる事があったので追記です。
{netabare}第七話の中盤でリョータがエミリーに送った指輪ですが、これ、右手の人差し指(創造性)にはめたのには何か意味があるのでしょうか。もし、エミリーが正妻ヒロインならば左手の薬指(愛の絆)にはめるはずですが、やはりそうではない?これが伏線に思うのは考え過ぎでしょうか。{/netabare}