nyaro さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
高校生くらい向けだが物語性があり、満足度が高い作品。
ライトノベルが2004年、アニメが2006年というと「涼宮ハルヒ」と全く同時期で、ラノベ原作深夜アニメの面白さを世に知らしめた作品ではないでしょうか。ツンデレも共通要素です。
この頃の「ラノベアニメ」を見て思うのは、高校生かまあ精々20歳まで向けくらいを意識した作品だよなあ、と思う事です。
設定のリアリティラインを落とし、キャラ造形をデフォルメして、ご都合主義や唐突感を是としています。
ですが、スタートの引きで作品世界に引き込まれ、話の展開、構成がちゃんとしていて、キャラの動きや言動の自然で、結末があります。つまり「作品になっていて」かつ「物語性」があると言えるでしょう。
「今の作品」と一つにくくると例外もあるし、パターン認識で思考停止になりますが、しかし、2020年代以降のアニメでは、舞台設定、キャラ、演出、音楽、作画などだけは張り切っていて工夫もあるけど、物語性がない作品がかなり多い気がします。
物語性がなく舞台とキャラだけになるから浅いし、子供だましだし、作品がシリーズ化すると、どんどんつまらなくなって行くのではないかな、と思います。
この状況がいい方に作用する場合ももちろんありますが、残念ながら数少ないかな。
本作は13話で奇麗に完結しており、話がちゃんとあって、大変面白く見る事ができます。
ただ「高校生向け」なので、テーマ性とか深みとかそういうのはあまりないので、繰り返し見たくなるような作品ではないですが、1回目見たときの面白さは、今でも覚えています。そう、物語性があるとスケール感がでるんですよね。作品世界そのものにトリップできる感じです。キャラへの感情移入も深まります。
この夏、再視聴しても面白かったです。それは繰り返しになりますが、ちゃんと物語があるからだと思います。もちろん、キャラもありますけど。
決して転生ものの元祖ではないですが「今の」なろう系異世界転生を考えると本作の影響はかなり大きいのかなと思います。ファンタジー世界に、カラフルな髪の少女たちとデフォルメされたキャラ付け。魔法にクリーチャー、召喚獣、お城、そして魔法学園。
「無職転生」の大学編が始まって本作を思い出しました。ハリーポッターの第1作が1997年ですので、それ以来魔法と学園は相性がいいようです。相性が良すぎて粗製乱造の感はありますけど。本作は設定や話の展開が魔法学園であることの意味がちゃんとあった作品でした。
ツンデレの元祖…ではないですが、ツンデレという概念化に大きな役割を果たした作品です。くぎゅう…そして、ルイズたんですね。
アニメ映像の出来はいいですねえ。私が本格的にアニメを見出した時期なのでこの頃の作品が基準になりますが、ちゃんと人が動くアニメーションしていました。もうこんな贅沢な作画はできないかもしれません。
ストーリーはよくできていますが過大評価する気はありません…4かなあ。キャラは4.5。ちゃんとキャラの性格付けが物語に寄与していました。
作画は客観的にいえば4。好みで言えばかなり好みですけど。音楽は普通?3.5。声優はちょっと演技が古いですが、くぎゅうポイントで4.5です。