退会済のユーザー さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
平和な青春劇
全体を通して、私にとってはまるでいちごミルクを飲んでいるような気分になれる作品でした。
第三者的に観た場合、視聴者の主観の強さによって、好みがはっきりと別れる作品だと思います。
私はキャラになりきってみたら、とても楽しめました。
キャラになりきらなくとも、ほんのり甘いストーリーを求めている人ならば楽しめる作品だとも感じます。
白石くん(モブ)、久保さん…どちらも、憎めないキャラなので物語に入り込めました。
話自体はキャラの魅力にしか趣きを置いていないため、掴みどころがない話なのですが、話の作り方が上手く、その分キャラについて興味を持つきっかけに。
久保さん…クラスの人気者であり、白石くんが気になっている。こっちから自発的に声を掛け続けても、ちっとも意識してくれない、察してくれない…そこが許せないけれど、普通の草食男子と違って、興味深い。
白石くん…クラスでも目立たない(空気のような)存在であり、まるで割り切り状態MAXで主体性が所々無自覚になっています。自分は何であんな行動をしたのだろう?と後で振り返る事があるほどに。
度々、存在自体認識されていないこともありますが、それは久保さんと白石くんのすれ違う心情を敢えて意識させるための世界だから(キャラ設定を強調させるため)だと私は感じました。
もし、白石くんが他のキャラと普通に話していたら、本当に普通の男子になってしまい、久保さんは許してしまいますよね(笑)
それにあんなに鈍感な面も納得できません。
ネタに振るか、久保さんと白石くんふたりのための世界という雰囲気としてキャラになりきり楽しむかで面白さが変わってくるように思います。(白石くんになりきるには難易度が高い笑)
かと言って白石くんとサブの絡みがないわけではないので、少し白石くんの成長も垣間見えてきて、ますます久保さんは白石くんに色々と興味をもたせようとします。
久保さんにとって、白石くんは普通の男子とは違って見えてそれが新鮮で誰よりも気になる存在であり、もっと知りたい気持ち。
白石くんにとって、久保さんはクラスの人気者であり、僕の存在は所詮お遊び程度でしかなくどうでもいいと思っているのだろうという卑下している気持ち。
後半、二人が二人を意識し合っている?瞬間がもうオーバーヒートでした。
そういった一瞬、一瞬の出来事を噛み締める密かに進行する青春の雰囲気…それが、この甘い物語の見所なのかもしれないですね。
OPの歌詞の冒頭…時間よ、止まれ、少しだけ(もう少しこのままで居させてほしい)といった想いと連動していますね。
白石くんの心情は、久保さんはクラスの人気者だから「僕みたいな存在が薄い奴にも、優しくしてくれているんだ。」と最初は割り切っているように見えましたが、それがだんだんと久保さんに対して、実は優しい、そして普通に可愛いと今まで流されていただけの心情(完全受け身状態)から自覚がある主体性へと少しずつ少しずつ変化していく過程が丁寧ですね。
久保家の姉や妹とも関わるうちに、今まで抱いてきた久保渚のイメージをまた塗り替えられている(良い意味で)ような…そう、それはまるで冒頭で申した、いちごミルク…いちご特有の甘酸っぱさ(久保さん)と牛乳特有のまろやかさ(白石くん)が見事にこの雰囲気にマッチしているように感じたわけです。
新型コロナウイルスの影響で七話以降が延期になったものの、ちゃんと12話まで締めくくってくれました。
五話の二人の教室で片耳ずつイヤホンで好きな曲を聴いているシーンが好きでしたね、伝わる体温、触れ合う心…最高でした。
最終話の序盤(クライマックスの一歩手前?)はキュンキュンする気持ちが止まりませんでした。
脳内補完でその後のやり取りを純太サイド、渚咲サイドで妄想してしまいました。
どのキャラも愛らしく、日常の些細なやり取りは微笑ましく、純粋な二人を応援したくなります。
たまに出てくるSDキャラもとても可愛いです。