nyaro さんの感想・評価
2.3
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 2.0
音楽 : 1.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
フラダンスの魅力が全く伝わらない職人仕事的アイドルアニメ
中途半端なアイドル系としか言いようがない作品でした。
脚本の吉田玲子さんも総監督の水島精二さんもそれぞれに大好きな作品があるので、期待しましたが本作は微妙でした。監督の綿田慎也さんは絵コンテ畑の人みたいです。
どうも「〇〇なアニメを作って」というオーダーを職人芸で形にするための布陣な気がします。
〇〇なの部分ですが、アイドルアニメの変化球の感動ものを作る。福島が舞台だから震災を匂わせようか。なら亡くなった人も入れようか。と言う比較的安易な企画な気がします。
フラダンスの意味性がほぼ無いので浅く感じてしまいます。滝川蘭子という少し過体重だけど、明るくて挨拶ができる子が一番人気という部分を発展させて、フラダンスとは何か?を丁寧に描いた方が、アップデートされたテーマ性が出た気がします。
だからこその多様性なのですが、滝川という子以外はルックスを良く描いています。結果として単なるアイドルアニメで、しかも作中の達成水準が中途半端でカタルシスが少ない話になってしまいました。
そもそも、日本の作品ですとフラダンスものでは「フラガール」があるので、目新しさが全くないのになぜ?という気がします。私はフラガールは未視聴なので、なぜ舞台を旧常磐ハワイアンセンター、現スパリゾートハワイアンズとまったく同じ配置にしたのか、どういう意図があるかは不明です。
滝川さんをもっとクローズアップするか、フラダンスが上手くなってゆく踊りの部分を丁寧に見せればまだ視聴後感は良かったと思いますが、まあ、正直面白いとは言えない作品でした。
せめてアイドルアニメの技法ではなく、フラダンスの踊りをもっと見ごたえある形で見せてくれればと思います。
評価は映画なので厳しめです…うーん作画は3以下ということはないです。4…いや3.5かな。肝心の舞台の演出がペンライトとか陳腐すぎます。
キャラです。キャラデザは1人で見ると悪くないんですけど、まとめてみると個性が弱すぎ。アイドルものの特徴である個人のドラマも当然映画だから弱いです。2.5。
ストーリーは凡庸もいいところです。1.5か2か迷いますが滝川さんの加点でかろうじて2ですね。
声優さんに罪はないですが、キャラとストーリーが悪いのに引っ張られて2を入れておきます。
音楽は1回目の舞台の楽曲が完全にアイドルソングだったのが最悪です。ハワイアンの魅力も伝えられていません。1.5。
なお、アマプラで見ています。映画館で見た印象とは違うかもという気はしています。
ですが、アイドルアニメと銘打ってないのはどうでしょう?いかにもテーマ性とか感動があるっぽいのはやっぱり駄目ですね。本作ならそれを明言しないと映画館で見たらキレてたかも。
そうそう、この作品を選択したときスポコン的な作品の期待があった気がします。
なんとなく、作っている人たちの気持ちが何も伝わってこないお仕事で作っちゃった「お仕事」アニメですね。