nyaro さんの感想・評価
1.9
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 1.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
評価に値しない。悪いSF、演出、伏線の例として研究できるレベル。
なんといいますか…作品としてやりたい事があって、そこから逆算してそれだけ表現したようなやっつけ感がなんとも残念な話です。
カタルシスも弱いし、川の画面をいっぱい入れていましたが、心情にも思い出にもテーマにも何も絡まないのは単に水の表現をしたかったから?
先にいうとSFとしても、ラブストーリーとしても評価に値しない出来だと思います。肝心の2つの要素の出来が悪すぎます。せめて、だめんずに恋をした女性の心情は丁寧に描きましょうよ。
以下ネタバレの文句ですが、正直書き切れません。特にSFや恋愛、脚本、仕掛け、演出の意味性などでツッコミどころ満載でした。
{netabare} 飛行機が偶然目の前の空で爆発するの?飛行機事故なのに遺体が棺桶に入っているのは?冒頭のモノローグでくるみは「笑わなくなった、食べなくなった…」というのをハルの声でやっていました。この主体は誰?
ハルが自分がロボットだと思いこむのはなぜ?それはどうして?その意味は?くるみがいなくなって壊れたのなら生きている(ロボット)のくるみを見せればいいんじゃないの?くるみを引きこもりにしたのはなぜ?世話を焼かせたのはなぜ? なんでクルミの祖父がハルを気にするの?他にロボットが出てこないのはなぜ?
くるみの救済がゼロですよね?キュー1とハルのラブストーリーじゃんって思いました。だめんずに惹かれる依存症女に貶めてしまった感じもちょっとなあ、と思います。
で、結局ハルだけなんか救済されて、いい感じですけど、くるみが死んだのはテロとか事故かもしれませんが、最後の最後でなんの救いもなかったのが、許せませんでした。いくら思い出を積み重ねてもあの空港の喧嘩が最後の思い出死んだくるみが不憫すぎでしょう?しかもキュー1まで殺しちゃってるし。{/netabare}
また、halという英語表記ですけど、これって2001年宇宙の旅のhal9000としか思えません(SF史上もっとも有名と言って過言ではない知能を持ったAI。halはIBMのアルファベットの一文字ずつ前の文字をとった)。この印象操作というかミスリードはひどすぎます。だったら、タイトルロゴにhalを入れるべきじゃなかったと思います。ロボットの名前がキューイチなのも9000を連想させてややこしいです。
冒頭数分でオヤ?と思ったのに、このhal表記が最後まで邪魔をしました。いくらなんでもそんなひどいことはしないだろうと。
(追記 いや確認したらそれ以前にアマプラとかのあらすじがおかしいです。{netabare}以下アマプラのあらすじ「彼女の笑顔をとりもどすため、ヒト型ロボットのQ01(キューイチ)は、ハルそっくりのロボハルとしてくるみと暮らすことに。」これははっきり嘘ですよね?これはいけません。{/netabare})
ということで、近年の単発の劇場アニメとしては最悪に近い部類のストーリーだと思います。
あらすじもこの作品の素性も知らないで視聴しましたので、ちょっとWIKIを覗きますと、脚本の方はSFどころかアニメがこの作品しかないんですね(ロボットもののドラマが2本くらいあるみたいです)。一般小説の脚本化ばかりみたいです。そりゃあSFや謎解きの作法はわからないでしょう。人選ミスですね。
監督も初監督で本作以前は全部原画でした。なるほどねえ…という作品です。
評価に値しません。ストーリー、キャラは1点やむなしですね。残念ながら劇場アニメはTVドラマのようなごまかしはききません。