nyaro さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
行き詰ったシリーズをリセット?常守に意味を持たせる準備?
この映画の印象は「設定のリセット」という気がしました。1期から2期にかけてどうも常守と犯罪係数、シビュラシステムの物語が袋小路な感じがありました。
ただ、世界観とキャラはなかなかいいし人気もあるので、3期プラス本作でなんとか常守狡噛の話に戻すための準備をした感じです。犯罪係数から離れてAIの問題に置き換えるための下地作りですね。
以降、AIに結びつけるのでしょうけど、本作はAI否定の世界観だったのでちょっと意外でした。3の前半で雰囲気はなくは無かったですけど、もし本当にそっちに行くなら悪い意味で強引な気がしました。
まあ、劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEを見られていないのでなんとも言えません。犯罪係数以外の新しいパラメータの導入か、AIとシビュラが並列するのか、いろんなパタンが考えられますが、常守が何か新しい概念を創り出すしかまとまらない気がします。
とはいえ、さすがの冲方丁氏で強引ながらもエンタメとしては面白い話にしたと思います。
未来ダイハードですね。ちょっとテクノロジーの水準に違和感がありますけど。あんな精密で空飛ぶ小型ドローンを個人で作れるならもっと捜査とか実力行使が進んでいる気がします。あの2人の女性ハッカーが俺TUEEEすぎて、ギャグになってしまっていました。ここでちょっとリアリティラインが下がってしまったのは、シリーズ通じてもったいなかったです。
そうですねえ…テレビの3期については面白いですけど、内容は無い気がずっとしてたのは、多分設定をリセットして常守をなんとかシリーズ復帰させるか、最後のオオトリをやらせるための下準備だったんだなあ、と思いました。
新キャラを沢山だす、新部署に狡噛を配置する、ビフロストという設定を作らざるを得なかった等々から考えても大改装ですね。
当然本作はその続きですから、まあTVでいいじゃんと思わなくはないです。したがって、劇場作品としてはあまり高い評価はできません。アクションシーンもTV版以上のものが出せていたかなあ、と。世界観でサプライズがあった1期の方がまだ新鮮だった気がします。
最後の霜月がメチャメチャ可愛かったので視聴後感は悪くないですが、ただ時間をかけて余韻を楽しむような感覚には残念ながらならない作品です。
それにしてもこの終わり方だと、常守は概念になってしまい、内面もユーモアも無い狂言回しになってしまいませんか?その分霜月がキレてくれることを期待しますけど。