nyaro さんの感想・評価
2.4
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
SF恐怖新聞。今の水準では凡庸な作品です。特にキャラが駄目。
原作既読です。未来がわかる新聞と言えば恐怖新聞73年~75年があります。本作原作が75年なので影響がないとは言えない気がします。それ以前に前例があるかどうか知りませんので、オリジナルをどこに求めるかは別問題です。
「青ブタシリーズ(原作)未アニメ化部分」でも「とあるレールガン」でも扱っているテーマですので類似性はそれほど気になりませんし、話の内容がそもそもオカルトではないです。
ただ、令和の今見ると、類似が多い分ストーリーに求めらる水準は当然高くなりますが、正直それほど高水準ではありません。「当時としてはどうか」というのは置いておいて「今見ると」という感想です。
寓意がないのはいいとしても、人間の自然な描写が出来てないので物語に迫力がありません。もともと藤子F不二雄氏の人間描写は、手塚治虫の記号的なマンガ表現を更に強化したような感じです。記号化が極端で駒にしか見えないことがあります。そのいい例でしょう。サブキャラが「ドラえもん」とそっくりな人物配置でした。
印象としてはストーリーはそれでもまだ見られなくはないですが、キャラの不自然さはかなりのものです。
結末について、{netabare}能力で助かるのはいいですが、何か設定か意味、伏線があればかなり質は上がったと思います。私が読み取れていないだけかもしれませんけど。
私の解釈では、自分に関わる未来予知をしてしまったので能力が消えたとも見えますが、そこに何か付け加えて欲しかった。{/netabare}
そして、ただでさえあまりレベルが高くないキャラ描写なのに、登場人物の年齢層を上げてしまったので更に不自然さが増したのと、アニメオリジナルの下手くそな恋愛のサブストーリーを入れているのも減点ポイントでした。
この作品の面白いところは、SF作家が出てきてこの未来予知についての解説をするところです。これがなかなか面白いです。精神医学のことなので50年近く前の知識が役に立つか分かりませんけど、1999年まではオカルト、超自然が今よりもずっと広く信じられていた時代なので、この解説はSF作家としての面目躍如だと感じました。
ということでアニメ化にあたり、この作品をチョイスした理由がよくわからない上に、アニメ化そのものにも不満が残る作品でした。