Mi-24 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
精神と物質。思考は物理現象なのか
原作ゲームの『NieR:Automata』は未プレイで話しの内容は知らない。
中盤までは抽象的な表現が多くて中々物語が進行しなかったが、終盤は怒涛の展開で一気に決着。話しのテーマは興味深い内容で色々と楽しめた。
どれだけの期間争っていたのか分からないが、地球侵略宇宙人の「機械生命体」と地球人類の「アンドロイド」。
結局人類は滅亡していて人口知能「人類会議」が人類の復活や復元を試みている話しだったが、アンドロイド「レジスタンス」は悲惨だった。
脆弱な存在で、生身の人間と対して変わらない強度しかないアンドロイド「レジスタンス」。
人類の雛型として造ったアンドロイド「ヨルハ部隊」に、様々な任務を通して色々な刺激を与えるのが本来の目的だから、レジスタンスは機械生命体の相手を適当にこなしてくれればいい。レジスタンスによる機械生命体の殲滅など期待していないし、求めてもいない。
自分達の本当の役目を知らされずに必死に活動しているレジスタンスが、余りにも哀れだった。
人口知能の人類会議は「人間」の定義を持っているのだろうか?
アンドロイドのレジスタンスとヨルハ部隊は、現状で既に「人間」と言えるような知性や人格を持っているように見えた。人類会議はまだ不十分と判断していたが、「人間」の定義がはっきりしていないと、終わりなく永遠に取り組む事になってしまう。
この作品の不満点は、エネルギー問題の設定。
過去の遺産を細々と使うような描写はなく、人類会議は潤沢なエネルギーと資源を使っていた。
世紀末作品でギャグテイスト以外なら、エネルギーと資源調達の問題解決の設定はしっかりとして欲しかった。