ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
悲しみ、淋しさを抱えつつ、笑顔で生きる透ちゃんと十二支の素敵な物語。
父を早くに亡くし、母と二人暮らしをしていた少女・本田透。女手一つで育ててくれた最愛の母が急逝し、父方の祖父の家に引き取られるも、祖父が娘家族と同居することによる家の改築で一時的に家を出るようになる。行くあてもない透は、とある山の中でテント暮らしをしていた。そこは偶然にも草摩家の敷地の中であった。十二支憑きの家柄の草摩家の一人、紫呉と出会い、紫呉の家で居候をすることになる。そこにはクラスメートで女子の憧れの的の草摩 由希も暮らしていた。そして猫憑きの夾との4人暮らしがはじまる。
少女マンガ原作らしいかわいらしい画が特徴ですね。最初は若干、違和感があったものの、慣れてしまえばさほどでもなく、ストーリーも良かったので気にならなくなりました。
人を思いやる気持ちの大切さをテーマにした優しい作品で、笑いあり、感動ありの良いストーリーでした。
母の死を乗り越え、困難にぶつかっても、常に前向きにとらえ、明るく、笑顔で生きていく透。うおちゃん、花ちゃんという友人にも支えられ、笑顔で生きる透。時折見せる、淋しさや悲しみの涙が、明るい笑顔の分、ひときわ悲しく感じられました。母への愛が強く描かれていたように思えます。
草摩家の「神」といわれるアキト。その存在を畏怖し、他人との接触を避ける草摩家の人々。異性に抱きつかれると十二支の姿に変わってしまうという苦悩を抱え、皆生きている。
アキトからの虐待で心を閉ざすネズミの怪憑きの由希、すべてを知りながらも十二支を見守り、呪いを解く方法を思案する犬の怪憑きの紫呉、十二支には入れなかった猫の怪を抱え、十二支に対する(特に由希)敵意を見せる夾。夾には猫だけでなく、異形の姿になってしまうという呪いも掛けられている。
由希と夾は透との出会いと暮らしで、少しずつ心を溶かし、閉ざされていたと思っていた未来への希望を夢見るようになる。
草摩家の他の十二支憑きの人々も、個性豊かで、厭味もなく、心やさしい人ばかりで、次々に登場するのを透同様、観ている私の方も楽しみになりました。
草摩家を守ろうとする人々、草摩家を変えようとする人々、透の笑顔と優しい心によって、各々が抱える悩みや不安を払しょくしていく様子がとても印象的でした。
個人的には紫呉さんが良かったですね。飄々としつつもシリアスな面も持つ彼に好感を持ちました。変身した犬の姿も可愛かったし^^
5話の「本当は出て行きたくなかった。。。」あのシーンは良かった。透が本音を祖父に打ち明けるシーン。迎えに来る由希と夾。涙なしには見られませんでした。
クライマックスの夾のストーリーも良かったですね。この後どうなるんだろう?と気になり調べてみましたが原作は続きがあるようですね。気になるので観てみたいです。
2クールと全体的に少し長めな感じもあり、少し中だるみするような感もありますが、ストーリー、キャラとまとまりのあった良い作品だと思います。
またもとある方のおすすめで見た作品ですが、とてもよかったです。ご紹介ありがとうございました^^