てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
オタク文化闘争路線では魔法少女マジカルデストロイヤーズよりは良い、が惜しい
並行世界の日本に征服されてオタク文化弾圧されるアキバで、オタク文化守るために女の子と組んでロボットバトルする。全12話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
アニメなどのオタク文化への情熱を、ディストピアへのレジスタンスでロボットバトル、軽妙に見せてくれる。
ヒロインたちのやる気が戦力に直結する電池少女システムのギミックがユニーク、
これをオタク美少女たちの可愛さ、ホスト主人公によるギャルゲー的攻略要素、そこからコメディーしつつ、
本当に大事なモノとは的な真剣なドラマに繋げる作劇が上手い。
空虚に生きてきた主人公が、譲れない情熱を持つ電池少女たちと最初は嫌々接するが次第に双方の心が動いていく…
キャラドラマは良かった。
キャラデザがかなり可愛い。電池少女のディフォルメされたファンシーさも、本人の美少女も。
ロボットが二頭身だったりコタツだったりとギャグ路線なのも楽しい。
シリアスとコミカルのバランスが良く見やすい。
文化弾圧にレジスタンスする系としてはノリが明るく、良くも悪くも適当。
敵もヌルく、あまりシリアスにならない。
悪い点とも裏腹だけど、思想言論の自由というテーマの堅苦しさを控えてエンタメに徹している。
ヒロインは三者三葉に可愛いが最初の熱血ロボットアニメオタなリンちゃんが特に可愛い。
遅れてきた妹系ゲーマーなミサちゃんもあざとい。定番の井澤詩織ボイス。
地下アイドルのユキちゃんは裏表ある性格ながら一番大人、いいキャラしていた。
【悪い点】
主人公が根暗で屈折が酷く、フラストレーション溜まりがち。
やむを得ぬ事情があり、最終的に成長するとはいえ、過程が面倒くさい。
主人公のキャラ造形の狙いは分かる、本作の描きたいテーマ上必要な性格なのは分かる、けど見ていて辛気くさい。
ギャルゲー的な攻略パートは良いだけに、主人公の面倒くささが大分水を差した。
回顧趣味なオタク文化への共感が前提の作劇で主要テーマなのに、否定が続くのもイマイチ。
主人公搾取する借金取りも不愉快。作劇上大した役割果たさず徒に不愉快なだけだった。
(キャラ評価4から減点)
電池少女たちも担当回終わると電池切れで一時フェードアウト、このせいか横の交流が地味。
良い点と裏腹、シリアスとコミカルが中途半端。
オタク文化対思想統制の本筋ストーリーが雑であまり盛り上がらず。全体的なストーリーが単調。
敵がヌルく、終盤までは展開が間延びしがち。
敵もニンジャ少女や真面目な指令など悪くないキャラだが本領発揮せず。
戦闘シーンも面白くはあるが盛り上がりに欠いた。
特に終盤戦は燃える一面もあったが作画が息切れで惜しい。
【総合評価】4~5点
回顧的なオタク文化と現代の醒めた感覚から、コミカル寄りに統制風刺した意欲作。
光る面が多々あり概ね面白いんだけど粗も多い。
2年後の「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」よりは断然良いんだけど、良作には届かず。
評価はかなり迷う、良いにちょい惜しい「普通」