nyaro さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
B級ハリウッド映画を見るような単純な面白さがいい。
この作品、異世界モノ全盛の2023年7月の今見返すと、その作画・美術・色彩・エフェクトなど画面の良さを感じ取ることができます。
決して最上級のクオリティではないですが、異世界モノのアニメを楽しむのに非常に見やすいです。ピニャ殿下やレレイなどの女子たちの瞳の美しさは見事ですし、戦闘シーンは兵器、ロゥリー、魔法のどれをとっても迫力があります。
また、世界観の作り込みがいいです。ピニャ殿下がノケモノ扱いされていることでストーリーに厚さが出ています。また、王子の横暴と種族差別の問題、元老院と王族の対立など迫力があります。
変な言い方ですが、ハリウッド映画程度の勢力の配置にはなっていると思います。現実社会における勢力争いもラノベ的な水準でいけばよく考えれていると思います。
本作は3ヒロイン+ピニャ殿下にちゃんとバックグラウンドがあるので、ストーリーに説得力があり、かつ何といっても面白いし華やかです。私はテュカが暗すぎてあまり好きではないのですけど。レレイ最高です。あの好奇心旺盛なキャラ付けが良くて活き活きしていました。
キャラの欠点は、伊丹の部隊の構成員が物語に参画していない気がします。そこは3人娘とは逆で、バックグラウンドが薄いからだと思います。栗林はエピソードには参加していますが、しかし、やはり伊丹に対する劣等感芸と猪突猛進要員から脱しきれていませんでした。
むしろ後から出てくる黒エルフの娘の方が短いシーンの中ですが、よほどキャラが分厚かったと思います。
自衛隊無双が俺TUEEEではありますが、その無敵の軍隊が異世界に来た場合、どういう反応があるのか?のストーリーですので、その無双を否定しても仕方ないと思います。
テーマ性は一応分断とか差別とかもありますが薄いので、味付け程度でしょう。ただ、冒頭ウマが暴れた村では貧困を丁寧に描けていて、そういう描写が世界観の味わいに寄与していたと思います。
異世界キャラを中心としたストーリー展開の秀逸さと異世界の敵対勢力を蹂躙する爽快感がある、エンタメとして非常に優れた作品だったと思います。面白さでいえば、ハリウッドのよくできたB級映画を見るような感覚でした。
本当に面白いですが、深さが物足りないのでストーリーは若干減点で4.5。キャラは秀逸ですが伊丹部隊のメンバーが薄いので4.5。作画は最上級ではないですがかなり気に入ってますので4.5、音楽も最高水準ではないですがそう低い水準ではないと思います。ED良かった…音楽性というより雰囲気が…4ですね。声優ははっきり良かったです。3人娘は本当に声が合ってました。4.5