てとてと さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
実はアンチオタク文化的な自己満足作品?逆転世界ノ電池少女の方が良かった
オタク文化が弾圧される世界観での抵抗闘争を描いたオリジナルアニメ全12話。
【良い点】
オタク文化対文化弾圧という題材は(やや使い古されてはいるが)悪くない。
作風や世界観がシリアス寄り、キャラや作画演出や展開・体張ったギャグなどがクレイジーで、独特なノリで過去作との差別化は見て取れた。
雰囲気だけで見ればロックを感じる。
序盤の掴みは良かった。オタクヒーローや魔法少女たちがハチャメチャ暴れてくれそうな期待感はあった。
絶望的な状況で折れそうになりながらも立ち上がる的なシリアスは、面白いかはともかくとして真剣ではあった。
オタクヒーローの奮闘劇として見れば熱い見せ場もあった。
声優陣は実力派揃いで、キャラのインパクトは出せていた。
【悪い点】
説明不足や、キャラの交流掘り下げの暇が無いうちにカオスな勢いのみで進行、ドラマやストーリーが頭に入ってこない。
敵味方の目的は分かるが、その他のドラマがありそうでいて見えてこない。
回が進む程に混迷してくる、魔法少女や敵の真相も明かされぬまま漫然と悲壮なバトルからの、消化不良なラストで白ける。
またシリアスとコメディーの配分もメチャクチャ
絶望的な状況に追い込まれる悲壮感の中で、おふざけギャグ連発するノリで白けてしまう。
それで主人公側の活力表現出来ていればいいが、キャラの掘り下げに全然繋がっていない。
キャラが薄いため、話が盛り上がらない。モブがステレオタイプなオタクばかりなのもある。
オタク文化題材にしながら、愛を感じないのも気に入らない。時代錯誤でステレオタイプ。
具体的に何が好きで命かけて戦っているのかが薄っぺらい。
この点は2年前の「逆転世界ノ電池少女」がキャラの掘り下げや魅力に繋げていたのとは対照的。
キャラはオタクヒーローは悪くない主人公だが、魔法少女たちが徒に狂っているだけで微妙。
交流掘り下げから魅力出てくる事が無く、ただ暴れているだけだった。
敵に至っては不気味なだけ。
作画は独特な癖があって魅力が無いわけではないが、魔法少女が可愛くない。
オタク向けの萌えに背を向けている。そういう狙いかもしれないが。
楽曲は耳には残るが、不快。サビ?の壊れたスピーカーみたいなところが。アニメオタクの好みと対極。
【総合評価】2~1点
逆転世界ノ電池少女の評価が相対的にかなりアップ。あれ結構良かったんだなと。
オタクを騙っておきながら、凡俗なオタクアニメとは違うんだ!的な意識高い系意気込みが空回った、ダメなオリジナルアニメ。
作風は違うけれど何となく「ぶらどらぶ」に近いタイプの失敗作?
よく分からないが、アナーキーな反体制的なノリを表現したかったのか?
評価は悪い寄りの「とても悪い」